鷲羽山

これが最後の ふたりの旅と
知っているのか 瀬戸の海
想いあふれて 背を向けて
見上げる空に 鷲羽山
たった五文字の さようなら
なんで言えない 意気地なし

命ひとつじゃ 足りないくらい
惚れてつくした 愛だけど
波にさまよう 船にさえ
あの日のあなた 思い出す
怖いものなど ないけれど
旅の終わりが 怖いだけ

何度ともなく 振り向きながら
やがてあなたは 風の中
涙こぼれて 落ちぬよう
見上げる空に 鷲羽山
女みれんの 海峡を
明日はひとりで 越えて行く
×