百年の蝉

季節はずれの 一本杉で
命を終える 蝉を見た
我慢七年 土ん中
お天道様に 逢うまでの
長い苦労を 背負ってないた
一途な姿 胸を打つ

諸行無常と 晩夏の風が
つぶやくように 吹きぬける
落ちてころがる 空蝉(うつせみ)の
やるだけやった 潔(いさぎよ)さ
悔いも迷いも 小さなことと
遙かな空に 諭(さと)される

人の一生 百年ならば
百年叫ぶ 蝉になれ
明日死ぬ気で 生きたなら
今日の重さが 変わるだろ
時の流れに 踏ん張りながら
不動の心 抱いてゆく
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