YOKOHAMAから来た男

ワタシが描いた絵を
誰かが不思議そうに見つめてる

ヨコハマ ヨコハマ ヨコハマから来た関東弁の絵描きが
あたしの頭をポンと撫でて どこか遠くの街へ消えていった

残された絵の右下には 不可思議なアヒルが描かれていて
憧れ 憧れ 憧れ 私 絵の具をパレットに広げた

映画になるよな結末を 想像してます
ああ 絵描きさん 今 何処で何をしてるの??
慣れない言葉遣い真似して 馬鹿にされています
名も知れぬ あなた ねえ 何処にいるの

ヨコハマ ヨコハマ ヨコハマにたどりついたのは18の春
多感な 男どもに ちやほやされて あなたが少し 消えてった

映画になるよな結末 それ夢物語
ああ 絵描きさん 今 何処で何をしてるの??
周りの言葉遣い ああ もう 慣れ親しんでます
名も知れぬ あなた ねえ 何処にいるの

やがて青さを無くした あたしは
最後にアヒルを描いて 嫁いでいった

玄関 変わった名字 表札の右下に
不可思議な くたびれたアヒルを飾って
泣いたり 笑ったり 拗ねたり 怒ったフリしたり
私なり ドラマは繰り広げられてく

映画になるよな結末 それは生み出すもの
帰れない だから前むいて歩くだけさ ラララ
あの日には帰れない 帰れない

呼び鈴が鳴った

あたしが描いた絵を
誰かが不思議そうに見つめてる
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