灯り

人恋しさに 秋が哭(な)く
風吹く都会(とかい)の 光の陰で
私の人生 行きくれる
あゝ 故郷に母ひとり
帰れりゃ私も 灯りになれる
帰れぬ私も 灯りがほしい

もの哀しさは 冬日暮れ
生きるの死ぬのと さわいだ末に
都会(とかい)に住みつく しがみつく
あゝ 故郷に母ひとり
一緒に暮らせば 灯りも見える
暮らせぬ理由(わけ)は 時代の故(せい)か

夢みせるよに 春の雨
思い出捨てれば 身軽になれる
都会(とかい)の幸せ 拾えたか
あゝ 故郷に母ひとり
明日は帰ろう 母子(おやこ)の灯り
枕を並べて 眠れるように
枕を並べて 眠れるように
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