棺とカーテン

さあ、扉を開けたなら朝はもうすぐだよ。松葉杖を銃口にして暁を狙ってた。
カーテンの隙間に潜む物語を誰も知らない。君を除いて。

その棺を閉じたならまたと無い機会だよ。
埃の舞う霊安室を油まみれにして、僕らの考えは全て過去になった。
…明日からはもう、武器はいらない。

鏡の中では、ふたりの僕らが笑った。
まさに今ちょうど注射器の針に触って、壊した。

さあ、扉を開けたなら物語の始まり。
その棺を閉じたなら物語の続きを。
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