真面目な人

光る液晶を睨み付けては 弾くキーボード 擦る瞼
「時は本当に無情なもんだ…」と 知らず覚えた口癖

鞄の中の この不満の種
いつまで隠して 過ごせるのだろう?

叩き付ける拳 ファイルされた未来が散らばる
それでも跪き 拾い抱き締める 真面目な人

風にからかわれる様な日々 少し迷えば時代遅れ

他人の肩と ぶつかるその度
諸刃の心が 震え始める

街を暴れ回り 見境も無く叫ぶ妄想
それでも目は閉じず 現実を選ぶ 真面目な人

呆れる程に 求め過ぎた社会
気付けば本物は また闇の中

ひび割れるアスファルト 踵が刻み過ぎたリズム
涙と溜息で 今日も相変わらず曇り空
叩き付けた拳 暴れ回り叫んだ妄想
それでも独りでも 今を歩き出す 真面目な人
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