追想

借りたままの本に
細いしおりはさみ
哀しいまでの愛
音をたてて閉じた

遠い別れみちの
出逢う場所に立って
言い残した言葉
今もさがすけれど
むなしい アー

大事なだれか
失った時
人は嘆きより
怒り覚えるもの

だから追わないで
つばさの傷がやがて
いえるまで
かりそめに やすらぐ今

水にうかぶ影は
揺れて消えていった
坂をおりる人を
屋根はつつみこんで
たたずむ アー

すぎた月日が
美しいのは
それがもう二度と
姿かえないから

だから追わないで
つばさの傷がやがて
いえるまで
かりそめに ほほえむ今

だから追わないで
つばさの傷がやがて
いえるまで
かりそめに ほほえむ今
かりそめに ほほえむ今
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