ホルトノキ

泣き虫な君の瞳は
キラキラ光るビー玉だよ
無花果の香りがした
涼風に揺れる涙
通り雨かな壁の落書き
流れ落ち僕に手を振っている

朝凪に響く虫の聲
君と僕たちの思い出唄
雨宿りしたその隣に立っている
木の名前はホルトノキ

いただきますと声がしたら
今日がはじまっていく合図さ
背伸びして何が見える
遠い空浮かぶ朧月
思うようにはいかない事も
あるから面白い毎日なんだ

君と見た満天の星
数えて夢みる横顔に
いつまでもその笑顔で
いられる様にと
空に願った夜

時は流れて大きくなった
君の背中に手を合わせ祈る

雨の日も強い風の日も
ずっと変わらずに君を待つ
雨宿りしたその隣に立っている
木の名前はホルトノキ

そしていつか君と君の子供が
木の下でそっと昼寝をするかな
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