花冷えの宿

風もないのに こぼれる桜(はな)に
さだめ重ねる ひとり酒
帰るあなたに すがりつく
強さが私に あったなら…
岡山 美作(みまさか) 日が暮れて
春は名のみの 花冷えの宿

後ろ姿を せせらぎさえも
呼んでいるよな 吉野川
いいえなおさら つらくなる
最後にも一度 抱かれたら…
あなたを見送(おく)った そのあとは
泣いてくずれる 花冷えの宿

私ひとりの あなたじゃないと
知って愛した 罪ですか
夜の出湯に 置き去りの
未練を流して しまえたら…
岡山 美作(みまさか) 淋しさが
胸に沁みます 花冷えの宿
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