あんたの里

母の涙を振り切って
苦労覚悟で所帯をもった
惚れているんだ 愛していると
聞かず仕舞いの二年と三月
でもね 相思相愛 そんな仲
私のほかには なかった筈よ

夕陽追いかけ飛ぶ鴎
ひとりぼっちは淋しくないか
私のこの膝 止まり木代わり
降りておいでよ いっぱいおやり
いいね 酒と肴はあのひとの
ふるさと若狭の地酒とへしこ

宵に手向(たむ)けの百合を買い
供養替わりに恋唄聴いた
心許無い 来(こ)し方だけど
想い出すのは好(い)いことばかり
一度 行ってみたいわ 日本海
あんたが生まれて育った里へ
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