夜風

男はちまちま 生きたら駄目と
見知らぬ町へと 渡り鳥
明日はどこ行く 旅の空
海鳥が 海鳥が
呼んでいる
夢を追いかけ 陽が落ちて
夜風が沁みる

お前の代わりの お守り袋
時々握って 渡り鳥
酔えば今夜も 横顔が
しみじみと しみじみと
浮かぶのさ
ばかな男と 背中から
夜風が叱る

地図などいらない 男の旅さ
黙ってひとりの 渡り鳥
夢を土産に 探すまで
帰らない 帰らない
帰れない
時代おくれの 阿呆鳥
夜風が笑う
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