半径30cmの中を知らない

あー言うなればとっくに 世界はもうカラカラなんだ
明日は明日の風が吹くとか言ってタラタラしてんだ

さっきからあーもーうるさいな いつまでヘラヘラしてんだ
その目を閉じてみろよ いつかはキラキラしたいんだろ

この半径30cmの中で ちぎれた手の感触ばかり求めて
半径30cmの中で 空っぽの手を握って突き出したんだ

悲しげに切れかけの街灯がチカチカ
両手に抱えられて観たあの日
枯れ葉舞踊るあの夕暮れ
多分寒くはなかった 多分寒くはなかった

この半径30cmの中で 失う事ばかり恐れていた
半径30cmの中で 何かが違って見えだしたんだ あー
空に無言で叫んでいた日々 一途な夢を詰め込む為でもあった
半径30cmの中で すべてが違って見えだしたんだ
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