ダンチョネ港町

夜霧にまぎれて 訪ねて来たよ
君住む噂の 波止場まち
捜さないでと 書かれた手紙
インクの文字が 滲(にじ)んでた
ダンチョネ ダンチョネの 聞こえる港町

日暮れの浜辺に ひっそり咲いた
夕顔みたいな 女(ひと)だった
髪を小指で 掻(か)きあげる癖
まぶたの奥に また浮かぶ
ダンチョネ ダンチョネの 流れる港町

霧笛が哭(な)くたび 愛しさつのる
涙でうるむよ ガス燈も
もしも幸せ 掴んでいたら
夜明けの船に ひとり乗る
ダンチョネ ダンチョネの 聞こえる港町
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