恋人を射ち堕とした日

弓がしなり弾けた焔 夜空を凍らせて
凛と蒼く別離の詩を 恋人を射ち堕とす…

遠い日の忘れ物 引き裂かれた傷痕
呪われし約束をその胸に宿して

「避けられぬ終焉は せめて愛しいその手で…」
抗えぬ衝動の闇が彼を包んだ…

歪む世界螺旋の焔 輪廻を貫いて
凛と緋く血塗れくちづけ 恋人を射ち堕とす…

古の伝説 その魔物に傷を負わされた者は
呪いが全身を駈け廻り
やがては同じ魔物に成り果てるだろう…

それは二人が出会ったあの日まで遡る
彼が彼女を助けた時に負った傷
全ては出会った時から始まっていた…

枯れ果てた涙は 哀しみの蒼い焔を宿し
銀色に輝く矢を放つ
何度でも 唯...彼が息絶えるまで…

愛する人を失った世界には
どんな色の花が咲くだろう?

月を抱いた十字の焔 茨を捲きつけて
凛と白く最期の弓矢 私を射ち堕とす…
×