木曽恋がらす

大手振っては 帰れぬものと
きめていながら 草鞋(わらじ)をはいた
乙(おつ)な文句に ふり返りゃ
木曽のナー 仲乗りさん
木曽はよいとこ あの娘(こ)のすまい
笠(かさ)に紅葉(もみじ)の 花が散る

折って数えりゃ 一(ひ)ィ二(ふ)ゥ三年(みとせ)
山をきらって 旅人(たびにん)暮らし
さんざ姿も やつれたが
木曽のナー 仲乗りさん
木曽はよいとこ 夜毎の夢にゃ
いつも聞いたよ 祭り唄

裾(すそ)をはしょって 早瀬を渡りゃ
肌(はだ)にしみ込む 故郷の清さ
やっといまさら 知りました
木曽のナー 仲乗りさん
木曽はよいとこ 高峰(たかみね)ぞろい
渡り鳥さえ 宿をとる
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