飛騨の月

そっと襟あし 撫でてゆく
風はあなたの 吐息でしょうか
中橋(はし)を渡れば 三之町(さんのまち)
訪ねて来ました 逢いたくて
ずっと私は 独りでいたと
どうか伝えて… 飛騨の月

宵の祭りに ふたりして
堅く結んだ 心と心
きっと解(ほど)けて いないこと
今でも信じて いる私
江名子川(かわ)に浮かんで ふるえて揺れて
泣いてくれてる… 飛騨の月

両掌合わせる 白川郷(しらかわ)の
茅葺(やね)は私の 祈りの姿
あなた以外に 希みなど
本当は何にも ありません
夢を抱きしめ 待ってることを
どうか伝えて… 飛騨の月
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