LIVE REPORT

フジファブリック ライブレポート

フジファブリック

フジファブリック 中野サンプラザ

2008年05月17日@ 中野サンプラザ

取材:ジャガー

2008.05.20

3月から行なわれてきたツアー終盤となる中野サンプラザ公演は、2デイズ! メンバーの表情に曇りはなく、大ステージで演奏できることへの喜びに満ちていた。上京してバンド活動をしていた頃、この近くのコンビニでバイトをしていたというヴォーカル&ギターの志村正彦にとっては、いつかこのステージに立ちたいと願っていた“東京で一番やりたかった会場”なだけあって、感慨深いものがあったに違いない。 ライヴの始まりは、アルバム『TEENAGER』の1曲目にも収録されていた「ペダル」だった。ゆっくりとした面持ちでステージにメンバーが現れ、会場が静まる。そして、志村の歌声が張り詰めた空間に響き渡り、大きな拍手が沸き起こった。緩やかに、心地の良いサウンドが会場中に広がっていきながら、徐々に熱を発し出す。そこへ、「記念写真」「B.O.I.P.」といったアッパーな曲で、観客のテンションを一気に上昇させ、勢いに拍車をかけるのだった。アルバムに詰め込まれた10代の甘酸っぱい思い出や、何をやっても楽しくて仕方ない10代の“あの感じ”がライヴでどう表現されるのか楽しみにしていたのだが、想像以上のものを観ることができた。高い演奏力でもって奏でられる曲たちは、CDと同じクオリティを保ちながら、生ならではの躍動感もひしひしと伝わってくるので、とても刺激的だ。彼ら特有のサウンドにどんどん魅了されていき、Wアンコールで演奏された「茜色の夕日」では、優しいメロディーと情景が浮かびやすい歌詞にふと心が緩み、自然と涙が出そうになった。
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