LIVE REPORT

中田裕二(椿屋四重奏) ライブレポート

中田裕二(椿屋四重奏)

中田裕二(椿屋四重奏) Shibuya DUO -Music Exchange-

2009年04月28日@Shibuya DUO -Music Exchange-

撮影:河本悠貴/取材:石田博嗣

2009.04.20

“SONG COMPOSITE”とは椿屋四重奏の中田裕二(Vo&Gu)のソロプロジェクトであり、彼が好きな“歌”、歌いたい“歌”を歌うというもの。しかも、そんな歌たちをコーディネートするのはアコギとピアノのみ。それも“シンプルなアレンジ”というよりも、彼の部屋にお邪魔して、側にあった楽器を手にして、一緒に音楽を楽しんでいるような感じで...実は、それがこのプロジェクトのコンセプトだったりする。だから、選ばれた会場も小さめなライヴハウスで、客席との距離は近く、ステージにはソファを用意し、中田裕二の部屋をイメージさせる演出がなされていて、開演前から場内にはリラックスした空気が広がっていた。そんな中、ライヴは椿屋四重奏の「アンブレラ」の弾き語りで始まり、3曲目には1979年の大ヒット曲である久保田早紀の「異邦人」。81年生まれの中田にとっては生まれる前の曲なのだが、そのウエットで艶っぽいメロディーは彼が紡ぎ出す旋律を彷彿させる。それはその後に披露された安全地帯の「ワインレッドの心」などのニューミュージックや歌謡曲の名曲たちからも感じられ、彼の音楽的なDNAの根源がこれらの楽曲にあることを物語っていた。そういう意味では、“SONG COMPOSITE”はファンが椿屋四重奏の原点に触れる絶好の機会にもなっていると言えるだろう。そして、メンバーがドーナッツを手みやげに遊びに来て、アコースティックで2曲ほど演奏を楽しむというサプライズがあるなど、まさにホームパーティのような雰囲気のまま、最後は自身も気に入っているという新曲「夜の行方」で幕を下ろしたライヴ。中田のルーツに触れたことも収穫だが、やはり純粋に応年の名曲を彼と一緒に楽しんだという感覚だった。それは、ここに居た全ての者がそんな気分だったことだろう。