LIVE REPORT

エレファントカシマシ ライブレポート

エレファントカシマシ

エレファントカシマシ ZEPP TOKYO

2009年05月22日@ZEPP TOKYO

撮影:岡田貴之/取材:土内 昇

2009.05.20

タイトルからしてインパクトのあるオープニングナンバー「こうして部屋で~」。宮本浩次はギターをかき鳴らしながら、ゆったりとしたメロディーを静かに歌い上げていくのだが、その歌声に徐々に力がこもり、客席にも熱が帯び始める。そして、音と熱がゆっくりと混ざり合いながら大きな渦を作り上げ、ZEPP TOKYOの空間を飲み込んでしまうと、続く「悲しみの果て」のイントロで1回目の爆発が発生し、客席から何本の力強い拳が突き上げられた。その後も、ルーツロック的な如何わしい香りがサウンドから漂う「おかみさん」やルーズでヘヴィな「BLUE DAYS」で観客たちをどっぷりと酔わせ、不器用ながらも真っすぐに生きる男の生き様を綴った「絆(きづな)」や「桜の花、舞い上がる道を」で感動を誘った。 アルバム『昇れる太陽』を引っ提げてのツアーということで、プレイされる楽曲は最新作が中心である。嫌なことが続いて心がズタズタになっても、明日になれば太陽は昇り、青い空が広がり、昨日の自分を結局洗い流す...と宮本自身はもちろんのこと、バンドメンバー、聴く者を鼓舞する楽曲が披露されていく。しかし、宮本は何度も語った。昔のアルバムにも今作の「Sky is blue」の裏テーマみたいな曲がいっぱいあると。つまり、デビューから21年が経つが、彼らが音楽で伝えようとしているものにブレがないのだ。その時代によって表現方法であったり、切り口は違えど、“輝くために生きている”ということを叫んでいるのである。客席ではそんな男たちが奏でる説得力と生命力を持った楽曲に共鳴した者が、幾度も感情を爆発させていた。そして、バンドの原点とも言えるオーラスの「ファイティングマン」でメンバーも観客もともに叫び、日常の中で抑え付けていた自己を解放し、完全燃焼するのだった。
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