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新居昭乃 ライヴレポート

新居昭乃 ライヴレポート

【新居昭乃 ライヴレポート】 『新居昭乃 NEW ALBUM RELEASE LIVE「ツバメ」』 2020年2月24日 at 日本消防会館 (ニッショーホール)

2020年02月24日@日本消防会館 (ニッショーホール)

取材:田中隆信

2020.03.03

昨年12月にミニアルバム『ツバメ』とコンピレーションアルバム『Another Planet』を2枚同時リリースした新居昭乃。そのリリース記念の東京公演が2月24日に日本消防会館にて開催された。昨年大晦日のライヴ『NORTH BAZAR』はバンド編成だったが、今回は打って変わって新居の歌とピアノ、『ツバメ』にも参加したtico moonのふたり、ハープの吉野友加とギターの影山敏彦、後半からはバイオリンで藤堂昌彦が加わり、シンプルな編成ながら、豪華な音を届けてくれた。

『ツバメ』の1曲目「花の行方」でライヴはスタート。“こんばんは。今日は私の2枚のアルバムのリリースライヴにようこそお越しくださいました”と挨拶し、『Another Planet』収録の「月のうまれる夜」「少年の羽」を続けて披露。楽曲の世界に合った映像がステージ後方のビジョンに映し出され、幻想的な雰囲気を作り出していく。もちろん2枚のアルバムの曲以外にも「The Tree of Life」や「バニラ」など、少し懐かしい曲も聴くことができた。特に「バニラ」では影山がエレキギターに持ち替え、新居がアコギを弾いたことで全体の音色にも変化が加わった。

また、中盤ではtico moonのふたりが退き、ステージに新居ひとりになると“ライヴに来てくださる方には特別なものをお聴かせしたいなといつも思っていて、今日は未発表曲を披露しようと思います”と、『ツバメ』のために作った楽曲だったが、自分の中でまだ熟してない気がするという理由で収録しなかった「無言の詩」をピアノの弾き語りで初披露。ファンに嬉しいサプライズも。

その後、“かなり前からレコーディングに参加してくれていて、地球の裏側のチリまで一緒に行ってもらったこともあります”とバイオリニストの藤堂昌彦を紹介し、ふたりで「眩光」を演奏。後半はtico moonのふたりも再びステージに登場し、4人編成に。より厚みと深みのあるサウンドで「遥かなロンド」「in my tears」などを聴かせた。そして、『ツバメ』から「Soul of AI」「氷の城」「羽はツバメ」の3曲を演奏して本編を締め括った。

アンコールでは『Another Planet』について“30年ぐらいの間に仕事で歌わせていただいた曲を集めたアルバムになっていて、ビクター以外にもいろんなところから出させてもらった曲が入っています。みなさんからのご要望があって、33年の音楽人生でこういうアルバムが作れて良かったなと思っています”という想いを語り、“世界がこうあってほしい。そんな曲を最後に歌います”とファンに感謝の気持ちを伝えて「Stay」を歌唱。サウンドプロデューサー保刈久明による研ぎ澄まされたアレンジによって、楽曲の良さ、歌詞のメッセージはもちろん、楽曲の世界観もより明瞭に伝わってきたライヴだったことは言うまでもない。

取材:田中隆信

新居昭乃

アライアキノ:8月21日生まれ、東京都出身。“幻想系の始祖”とも呼ばれる独自の音楽性で、海外での評価も高い。2006年パリ、ベルリンのソロツアーを皮切りに、サンチアゴ、香港、台湾、モナコなど海外でのライブ、イベント参加を精力的に行なっている。また、CHARA、安藤裕子、種ともこ、PSY'S、LUNA SEAなど多数のアーティストのライブやレコーディングでコーラス参加、手嶌葵、悠木碧等、他アーティストへの楽曲提供も多数。16年にはデビュー30周年を迎え、20年にはアルバムリリースライブに加え、弾き語りツアー「Little Piano vol.10」と台湾公演が予定されている。

SET LIST 曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。

  1. 7

    7. 無言の詩

  2. 11

    11. in my tears

  3. 18

    <ENCORE>

  4. 19

    Stay

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