LIVE REPORT

ONEPIXCEL ライヴレポート

ONEPIXCEL ライヴレポート

【ONEPIXCEL ライヴレポート】 『ONEMAN LIVE2020 「Ride on Time」 ~Three Two One Action!!!~』 2020年2月9日 at 神田明神ホール

2020年02月09日@神田明神ホール

撮影:田中真光/取材:池田スカオ和宏

2020.02.17

ONEPIXCELが単独では最大規模となる神田明神ホールでのライヴを満場の中、大成功に収めた。《険しかった壁が少し低く見えて 残した足跡を振り返る仲間と突き進もうフルパワーで》ーーこれはこの日のラスト付近で歌われた、2月26日発売のメジャー1stアルバム『LIBRE』の収録曲「TURN ME ON」のワンフレーズで、“夢や目的に向かう過程での苦難も、みんなの力とともに乗り越えていければ全てが報われる。だから、それを信じ、これからも一緒に進んでいこう!”と響いた。

まさしくこの日のライヴは、それを体現してくれるものがあった。ここまでの努力と苦労がいずれは素晴らしい景色へ導くことを確信させ、3人の力強い決意と覚悟、そして並走していくファンの気概も相まって頼もしいアライアンスが出来上がっていたのだ。

“みなさんとONEPIXCELワールドを旅する”を銘に、選曲や流れ、ブロック等にも思案が凝らされ、終始コンセプチュアルであった本公演は、上述の『LIBRE』収録の全曲が披露されたのをはじめ、各曲ごとに我々をここではないどこかへと導いてくれた。

“ONEPIXCELワールドへの旅”は登場SEやデパーチャー映像からすでに始まっていた。まずは映像が流れ、来場者が“0209便”というボーディング態勢に入る。アテンダントはCAの衣装に身を包んだ傳 彩夏、鹿沼亜美、田辺奈菜美。映像には“それでは快適な空の旅を”の文字が映し出され、それが“Ride On Time”に変わると出発。後ほどCMで“どこの国か特定できないのがポイント”と語られた新衣装の3人がステージに現れる。オープニングは「hello, wonder star」が飾った。いきなり土着性あふれるEDMサウンドが会場をバウンス。《イマナラドコマデダッテユケルユケル》と歌い、フロアーを雲上へと誘う。

3人が“今回アテンダントさせていただくONEPIXCELです。最後までONEPIXCELワールドを一緒に楽しんでほしい。どうか最後まで付いてきてください”と告げると、トラップを交えたエレクトロな「Time」へ。《離れぬように僕のそばにいて欲しい》のフレーズがステージとフロアーとの距離をグッと縮めていく。対してベースサウンドが印象的な「Sparkle」では、彼女たちのタフでストロングな面と、そこを抜けたが故にさらに映える開放感が楽しめた。

“みなさん一緒に歌って踊っていきましょう”と鹿沼。「We Go Now」では歌に艶やかさが加わり、メンバーのダンスもより躍動性が増す。同曲ではサビの《we go we go now》をファンとともに腕を回しながら一緒に歌った。傳が“ここからは熱帯雨林へ。これからもっと熱くなるから”と言うと、続けて田辺がやさしくタオルの準備を促し、「Tell us!!」ではソカの前のめりなビートの上、メンバーもタオルを大旋回。歌詞にある《歌を一緒に楽しもう》を体現し、会場中がひとつになるのを見た。

“みんな飛ぶ準備はできてる?”と鹿沼。「S」のチップチューン・ミーツ・ロックの躍動感が会場中のジャンプを誘うと、対してクールな「Summer Genic」ではロートーンと彼女たちの大人の女性面やセクシーさも味わえた。また、同曲では途中、会場を航空会社になぞらえ、中央より左右にANAチーム、JALチームに分けてハミング合戦も。かなり高度なフレーズと艶めかしさを交えながらもみんなしっかりと付いていったのも印象深い。

“みなさんを涼しい場所に案内しましょう”と傳。“2月と言えば、バレンタイン!”と田辺が続け、“Your My Valentine”と書いてチョコを渡すと想いが成就するとの豆知識を鹿沼が教示。そして、特別にひと足早く“Your My Valentine”の想いを込めて、「be with you」が贈られる。また、同曲では会場にバレンタインのプレゼントも投げ込まれ、場内が驚喜する場面も。

以降は各人の歌唱が映える曲が目立った。加え、「Slow Motion」ではタフさと力強さ、ちょっとした切なさが加われば、彼女たち初のウィンターラブソング「Go My Way」(『LIBRE』収録の新曲)では、柔らかくやさしく至福感たっぷりなコーラスやハーモニー、ユニゾンも堪能させてもらった。

“ここからは神秘的な曲を”と傳が言うと、以降は会場を満天の星空へと誘う曲が並ぶ。「LAGRIMA」が流星群のファンタジーと、これからを強く確信させる前向きさを伴い、3人のシンクロしたダンスとともに贈られれば、「monochrome」ではこのモノクロの世界を飛び越え素晴らしい世界が待っていることを、その力強いユニゾンで信じさせてくれた。

“今日はより心がひとつになった気がします。最後まではぐれず私たちに付いてきてほしい”と鹿沼。本編ラストゾーンに入る。「Girls Don't Cry」では激しくなっていくビートに合わせてダンスもさらにアクティブに。合わせて会場もグイグイと惹き込まれていく。さらに、アッパーで疾走感のある「Howling」を披露し、本編ラストの「Final Call」では、そのジャズファンクなサウンドの上、キャッチーさも加わって会場も一緒に声をあげる。“最後まではぐれず一緒に旅ができて良かったです。また一緒に旅ができることを楽しみにしています”と3人は一旦ステージを去った。

アンコールではユニゾンの力強さが魅力的なアルバムリード曲「DO IT, DO IT」がミラーボールの幻想さの中で歌われ、3人から感謝の意も込めて満場へ言葉が贈られる。“久しぶりのホールでみなさんと逢えて良かった。5周年への出発のワンマンにみんな来ていただいてありがとうございました!”(田辺)、“大きく広いホールで当初は不安だったけど、みなさんとともに満足のいくライヴができて嬉しかったです”(鹿沼)と告げ、続く傳は“5周年企画のいいスタートが切れました。ありがとうございました。それから春から連続ドラマの出演も決定しました”とビッグニュースを交え、喜びと嬉しさを満場と共有した。最後は鹿沼が“グループとしてももっともっと成長していく。これからも応援をよろしくお願いします!!”と締め、再度会場を眺めのいい場所へと誘ってくれた「TURN ME ON」、ラストは明るくハッピーに「Take Off」が会場とともに駆け出し、未来へと続くフライハイを感じた。

これからの数々の5周年記念企画に向け力強く駆け出していった3人。ライヴ中には今春の大型ドラマソングの起用決定と待望の全国ツアーの発表もあり、その際は場内も自分のことのように大驚喜した。

今一度、冒頭の「TURN ME ON」の曲の話に戻りたい。先述のフレーズ以降、同曲は《挫けそうになったら 思い出そう 心に浮かんでくる 大切な人の星の様な笑顔の輝きを 両手で胸一杯受け止めて》というフレーズが続く。これこそまさにこの日のライヴだったように今は感じる。彼女たちはこの日に限らず、今後も苦しい時には、きっとこの日を含むステージからの光景を想い出し、再び歩み続けていくことだろう。そして、いつか夢や目標に辿り着いた際には、そこまでを振り返る中、この日の数々の場面も脳裏に蘇らせるに違いない。

この5周年を機に、彼女たちはまた大きく駆け出していく。ONEPIXCELが∞PIXCELになるポテンシャルがさらに明確へと近付いたことを確信した一夜であった。

撮影:田中真光/取材:池田スカオ和宏

ONEPIXCEL

ワンピクセル: 2015年9月に結成された3人組ガールズユニット。18年3月にフジテレビアニメ『ドラゴンボール超』のエンディング主題歌となったシングル「LAGRIMA」をリリースし、メジャーデビューを果たした。日本国内だけでなく、中国や台湾、カナダ、メキシコでもライヴを行ない、ファンが世界的に拡大している。19年には初の全国ワンマンツアーを成功させた。

SET LIST 曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。

  1. 1

    1.hello, wonder star

  2. 2

    2.Time

  3. 5

    5.Tell us!!!

  4. 6

    6.S

  5. 8

    8.be with you

  6. 12

    12.monochrome

  7. 13

    13.Girl’s Don't Cry

  8. 16

    <ENCORE>