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ケツメイシ ライヴレポート

ケツメイシ ライヴレポート

【ケツメイシ ライヴレポート】 『ケツメイシ LIVE 2018 お義兄さん!! ライナを嫁にくださいm(_ _)m in メットライフドーム Supported by Sammy』 2018年10月28日 at メットライフドーム

2018年10月28日@

撮影:古溪 一道/取材:榑林史章

2018.11.01

約2年ぶりのアルバム『ケツノポリス11』をリリースし、チャート1位を獲得したケツメイシが、10月27日と28日に埼玉・メットライフドームで初のドーム公演『ケツメイシ LIVE 2018 お義兄さん!! ライナを嫁にくださいm(_ _)m in メットライフドーム Supported by Sammy』を開催した。この開催に合わせて、会場に通じる西武線の車内広告はすべてケツメイシ一色に模様替えされ、会場に向かうところからファンを楽しませてくれた。また会場がプロ野球、埼玉西武ライオンズのホームスタジアムであることから、メンバー紹介が野球中継のスタメン紹介のようになっていたり、MCで飛び出すギャグも野球ネタだったり、埼玉西武ライオンズの試合ではおなじみのジェット風船を飛ばしたりと、メットライフドームにちなんだ演出が随所に散りばめられ、メンバー自身がこのライヴを楽しんでいることも伝わってきた。

ライヴは、定番の「はじまりの合図」で始まった。この日のセットリストはメンバーセレクトによるもの。最新アルバム『ケツノポリス11』の収録曲を交えながら、「トレイン」や「さらば涙」、「トモダチ」など代表曲も多数披露して、初ドーム公演という特別な日にふさわしく、スペシャル感のあるセットリストでファンを喜ばせた。“スクリーンの上に歌詞が出ますので、今日は大カラオケ大会の気分で楽しみましょう!”と、大蔵。観客は、ビールジョッキ型・ヤシの木型のペンライトを振りながら、全曲を一緒に歌う勢いで、メットライフドームはまさかの巨大カラオケルームに変身した。

“ケツメイシ史上初のドーム。我々にとっては挑戦です。7000人しか入らなかったらドタキャンして帰ろうかと話していたんですが、ジュリー現象はなんとか避けられてよかったです”と、冒頭から世間で話題ネタを取り入れて会場を爆笑させたRYO。大蔵は“今日(28日)が今年最後のライブなので一瞬一瞬、一曲一曲を記憶に残したい”と話し、9月にライオンズの始球式に登場したときのことに触れ、元横浜DeNAベイスターズの吉見投手から特訓を受けていたことを話しながら、“マウンドには、のびしろという種があると感じた”と言って、次に歌った「出会いは成長の種」へと上手く繋いだ。ステージには、曲によって男女ダンサーが登場して楽曲を盛り上げた他、「子供たちの未来へ」では、巨大スクリーンに子供の成長を描いたアニメーションが流れるなど、さまざまな演出で彼らの楽しく温かい音楽の世界観を伝えていた。

中盤にはアンタッチャブルの柴田英嗣が登場して、お芝居仕立てで楽曲を届けたのも楽しみがいがあった。合コンで、埼玉西武ライオンズのマスコットのライナに一目惚れしたRYOが告白するというストーリーで、その物語の展開に合わせて楽曲が歌われていく。中でもしっとりとしたバラードの「なみだ川」では、RYOJIが切なく胸に響くボーカルを聴かせてくれた。

終盤は、「トモダチ」「仲間」「友よ〜この先もずっと・・・」など、ハートウォーミングな楽曲が続き、“それぞれにとっての大切な人を想像したり、隣の大切な人のために歌ってください”と、客席に呼びかけた大蔵。観客は肩を組んで体を揺らしながら、一緒に大きな声で歌っていたのが印象的だった。

ケツメイシのライヴの醍醐味は、一緒に歌うところにもある。ケツメイシの4人は客席にいるみんなのために歌い、観客はそれぞれの大切な人のために歌い、歌が向けられるベクトルは違えど、その両者を繋いでいるのがケツメイシの楽曲だ。ケツメイシのライヴは一緒に歌ってこそ。会場を埋め尽くす3万5千人の家族連れや友達グループ、カップルの歌声が、頭から最後までメットライフドームに響き渡っていた。

撮影:古溪 一道/取材:榑林史章

ケツメイシ

2MC/シンガー/DJからなるラップ・グループ、ケツメイシ。なんとも心地よいシンフォニーを描き出すキャラ立ったラップのかけ合いと、メジャーな旋律をなぞる歌声は聴き手の心の琴線を確実に刺激する。それもなにげない日常の出来事/想いを綴ったストレートなリリックあってこその賜物か。そしてそれらは、親しみやすいヒップポップ/レゲエ・サウンドと相まって、温かさと解放感に満ちたナンバーとして届けられるのだ。99年のデビュー・シングル「こっちおいで」はTV CFソングにも起用。聴きなじみやすいポップ・サウンドでスマッシュ・ヒットを記録した。01年、「ファミリア」にてメジャーデビュー。以降、コンスタントにヒット曲を生産し、05年、メジャーデビュー以来11作目になるシングル「さくら」でオリコン1位に輝く。現在も“桜ソング”の定番曲として人気を誇る名曲となっている。

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