LIVE REPORT

サンボマスター ライヴレポート

サンボマスター ライヴレポート

【サンボマスター ライヴレポート】『サンボマスター 【1st日本武道館2017】 〜そのたてものに用がある〜』 2017年12月3日 at 日本武道館

2017年12月03日@日本武道館

撮影:浜野カズシ/取材:フジジュン

2017.12.14

12月3日(日)、サンボマスターが自身初となる日本武道館公演『サンボマスター【1st日本武道館2017】~そのたてものに用がある~』を開催。“ロックの聖地”と呼ばれ、これまで数多くのロックスターたちが伝説を残してきたこの会場に、サンボマスターが新たなロックンロールの軌跡と奇跡を残した。

大仰なセットもなく、日本武道館にしてはシンプルなステージ。それだけでサンボらしいなと嬉しくなったが、いつものSEが流れ、飾らぬファッションで登場した3人が違和感なく武道館のステージに立つ姿を観て、さらに嬉しくなった。1stアルバム『新しき日本語ロックの道と光』のリリースから丸14年。独自のロックンロールを貫き、道なき道を歩み続けた彼らが今、日本武道館の光の中にいる――。

「愛しき日々」のパワフルな演奏でライヴが始まると、“武道館のライヴに伝説残せるのか!?”と煽り、“伝説! 伝説!”と自ら“伝説”コールを起こす山口 隆(Vo&Gu)。伝説って自分から言うもんじゃねぇだろう!と苦笑いしてると、山口が奏でたのは初期の名曲「そのぬくもりに用がある」のイントロ。この瞬間、涙腺決壊。デビュー前から応援してるだけに感慨深さもあるが、あれから“あなたのその温もりに用があって来ました”と観客ひとりひとりに歌を届け続け、変わらぬ純粋な想いで今、日本武道館を埋める観客に本気で歌を届けようとする3人の姿にグッときたのだ。これぞロックバンド!と言える息の合った演奏で「できっこないを やらなくちゃ」「ロックンロール イズ ノットデッド」「青春狂騒曲」といった名曲たちを披露し、会場の全員と心を重ねたこの日。歌と演奏に込めた強い気持ちに涙した「ラブソング」の美しさ、会場中の合唱が愛と平和を生んだ「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」の爆発力は、日本武道館の新たな伝説。山口の“生きてまたここに集まろう”の約束通り、再び日本武道館で伝説を見届けられる日を待ちたい。

撮影:浜野カズシ/取材:フジジュン

サンボマスター

山口隆(vo&g)、近藤洋一(b&cho)、木内泰史(dr&cho)が00年に結成。山口の狂気じみた渾身のヴォーカルと、ソウル魂が炸裂するファンク・サウンドでインディーズ・シーンの中でも異彩を放つ存在となり、様々なコンピレーションに参加。03年、オナニーマシーンとのスプリット・アルバム『放課後の性春』をメジャー・レーベルからリリース、同年リリースした1stフル・アルバム『新しき日本語ロックの道と光』が爆発的ヒットを記録した。その後、“コザック前田と泉谷しげる”やYO-KINGのシングル「審美銃」のバック・バンドをつとめたり、松尾スズキの映画『恋の門』の主題歌に「月に咲く花のようになるの」が選ばれたりと、音楽関係者やアーティスト筋にもに絶賛されている。要チェック。

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