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GOOD ON THE REEL ライブレポート

GOOD ON THE REEL

【GOOD ON THE REEL】 『HAVE A "GOOD" NIGHT Vol.51~70「グアナコの行進」』 2017年6月16日 at 中野サンプラザ

2017年06月16日@中野サンプラザ

撮影:佐藤広理(@hilf_ntlo)/取材:土内 昇

2017.06.22

アルバム『グアナコの行進』を引っ提げて全国各地を回り、20カ所目となるツアー最終公演はバンドにとって初のホールワンマン。ステージには砂漠の中のオアシスをイメージさせるセットも用意されていたが、天井が高く、奥行きのあるホールは、GOODの音楽がよく映える。日常を強がって生きている者の抑えている感情に語りかけるような、前を向きたいけど向けないでいる者の気持ちを肯定するような、そんな聴く者をやさしく包み込む楽曲が、生演奏されることで躍動感や熱量を宿すわけだが、それがサンプラザの空間の中で広がり、何倍もスケールを増して伝わってきた。

また、『グアナコの行進』というアルバム自体もインタビューで千野が“シングルの「雨天決行」を出して、お客さんを巻き込むようなライヴができてきていると思うし、そういうことを踏まえて今回のアルバムの制作ができた”と語っていたが、まさにその収録曲たちがツアーで育ち、今までのGOODになかった色を放ち、過去曲に負けない説得力やグルーブを持って訴えかけてきた。5曲目「あいつ」から続く「小さな部屋」「ひらり」という同アルバムからの3連発はそれが如実に感じられ、序盤の魅せ場だったと言えるだろう。そして、中盤の「冬の羊」では浮遊感のあるノイジーな音像に酔いしれ、切々と歌われる光と影の世界に意識を持っていかれてしまった。

圧巻だったのは本編ラストの「銀河鉄道の朝」。“未来を自由に描くことによって、そこを目指すことができる。最後に叶わなくても、描かなかった自分よりは少し前に進めると思う”...そんな千野の前置きのあと、電飾が作り出した満天の星空の中で描かれていく、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』とリンクする歌詞であり、ドラマチックなサウンドスケープが客席の感動を誘った。きっと最後の《何もしないよりも前に進もう》というフレーズに背中をそっと押された気持ちになったのは僕だけではなかったはずだ。

そんな本公演のオーラスを飾ったのは、“ごめん、まだ終わりたくない”とプレイされた「ハッピーエンド」。定番曲であり、常にラストにプレイされる鉄板曲なのだが、なんと今回のツアーにおいて初披露だった。同曲をプレイすることなく19カ所を回ったというのは、それでも“お客さんを巻き込むようなライヴ”ができたいたということ。それだけメニューに組み込まれた『グアナコの行進』の楽曲が起爆力を秘めていたということであり、バンドがネクストステージに進んだことも意味している。あと、ツアーファイナルの最後の曲が“ハッピーエンド”というのは、ひとつの演出ともいえ、なんともGOODらしい。

撮影:佐藤広理(@hilf_ntlo)/取材:土内 昇

GOOD ON THE REEL

グッド・オン・ザ・リール:2006年3月、同じ学校の仲間により結成。バンド名は“なんか、良い感じ”という意味から命名。千野隆尋の独特な歌声と歌詞、圧倒的なクオリティーの高さを誇る楽曲にライヴハウスをはじめ、TSUTAYAでの期間限定無料レンタルやCDショップでの店舗試聴機から火が付き、その口コミだけでバンドの評価や知名度をぐんぐんと上げていく。16年7月に初となるシングル「雨天決行」をリリースし、同年10月には日比谷野外大音楽堂でのライヴを成功させた。

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