LIVE REPORT

SUPER★DRAGON ライブレポート

SUPER★DRAGON

『NUMBER 9 TOUR』

2017年04月29日@umeda TRAD

取材:高良美咲

2017.04.30

9人組ダンス&ヴォーカルグループSUPER★DRAGONが初の東名阪ツアーを開催。“新しいことを見せる”ということを裏テーマにしていたという本ツアーは各地“room”と“sense”の2部構成で、グループはもちろんメンバーが各々で挑んだ挑戦もあり、若手ならではの伸びしろを余すことなく見せつけた。

メンバー9人が同じ家で共同生活を送っているという設定で、“room”と題した1部はリビングに見立てたステージ。全身真っ白の衣装をまとったメンバーが集うと、ジャンがジャケットを用意したということでそれぞれジャケットを手に取りジャケットダンスへ。軽やかにジャケットを投げ渡したり羽織ったりと、息が合ったスタイリッシュなパフォーマンスから目が離せない。「Pendulum Beat!」では早速“お好み焼き!”“たこ焼き!”と大阪ならではのコールアンドレスポンスを挟み、重みのあるビートが印象的な「Ooh! Ooh!」ではオーディエンスも巻き込んで全員で拳を突き上げるなど攻めの姿勢だ。

ジャンを筆頭にした『ジャジャジャジャンコール』は、リズムに合わせてひとりずつ自分の名前を言いながらポーズを決めるのだが、自己紹介しかり、壮吾は自身の好きな電車になぞらえて車掌の真似をしていたり、楽は両手を上げて猫のようにキュートな構えを決めたり、それぞれ個性あふれるポーズでアピール。そんな9人が観せるパフォーマンスは実に多彩で、「The Survivor」では手を巧みに使ったタット、「HACK MY CHOICE」では変わりゆくフォーメーションで魅せた。

中盤では年少組5人によるサンダードラゴンのコーナーも。黄色のキャップを手に、楽がくるりと回すように投げて頭に被せたのをきっかけに、5人でキャップでのハットトリックとダンスを融合したライトフィートパフォーマンスを披露。そして、“ツーリング行きませんか?”(彪馬)と呼びかけ「リマカブロ!」で一体感を生み出し、続く前向きで明るい「GETSUYOUBI」では5人全員で楽しげに歌う姿が印象的だった。

年長組のファイヤードラゴンはシューズで対抗。シューズを宙に舞わせて履いたり、手で自由自在に操ったりというクールなアクション。パーティーチューン「PAYAPAYA」を経て「ARIGATO」をしっとりと響かせ、緩急を付けた年長組ならではの大人の趣きで心を掴む。

改めて9人が出揃い6月28日リリースの「ワチャ-ガチャ!」を大阪初披露。彪馬が同じEBiDANに所属する超特急、DISH//、PrizmaXのことを“偉大な先輩”と感謝つつ、SUPER★DRAGONなりの魅力で虜にさせたいと宣言。「BROTHERHOOD」の手を合わせたり、肩を組んだり、9人で円になって拳を向き合わせるといった心を通わせる場面には絆だけではなくその決意も見えた。

この日楽曲面で新しさを提示したのは、アンコールのミディアムバラード「Believe」。前述した先輩グループPrizmaXの清水大樹が作った楽曲で、ジャン、洸希、和哉の3人は初めてラップ詞の制作に参加、9人全員のヴォーカルのソロパートがあるというのも新境地。この楽曲が今後のSUPER★DRAGONにどのような風を吹き込むのか楽しみだ。

1部の最後に共同生活を送る家の禁断の扉を楽が開けてしまったことで、先ほどまでのアットホーム感とは一転して、陰の空気が漂う異世界に迷い込んだ2部の“sense”。クールにまとめた衣装、髪の毛はそれぞれ鮮やかなペイントを施し、顔には白い仮面を付けて登場。「hide-and-seek」が始まり仮面を外して素顔を現すと歓声が起きる。その後も和を感じさせるサウンドや歌舞伎のような手の振りと足拍子が印象的な「BIG DIPPER」、コールアンドレスポンスで沸かせた「BAD BOY」で序盤にして最高潮の盛り上がりに。

曲を終えると意識を失うようにメンバーが倒れ込み、目覚めて気が付いたら玲於、毅、颯がいなくなっている。扉があるが出口が分からない異世界に迷い込んだ残りの6人は戸惑いながらも脱出方法を探しつつ、3人を探しに行くことに。

それと入れ替わるように、異世界に迷い込んだことで特殊能力に目覚めた3人のステージへ。サッカーボールを片手にユニフォームを着た颯はサッカーボールでリフティングやヘディングを次々にこなしていく。全身黒のジャージに赤のキャップを被り、大きなラジカセを肩に担ぎ登場した玲於は、大胆なブレイクダンスを披露。毅はこの日のために練習を始めたというアコギを片手に、叙情感たっぷりに歌い上げた「砂時計」で会場を酔わせた。

そんな3人が合流し、再び9人が揃ったことで今度は二手に分かれて出口を探すことに。ステージに残ったサンダードラゴンの5人は“俺たちはバイクで行こう!”と、バイクに見立てたポーズを組んだり、全力で拳を上げて飛び跳ねる「リマカブロ!」でアクセル全開に攻め、雷の音が鳴り響いた「INAZUMA」でカッコ良く締め括った。一方、ファイヤードラゴンは毅の伸びやかな歌声とファルセットが心地良い「MIKAZUKI」を聴かせ、「PAYAPAYA」の曲中で“サンダー出てこいや!”と言うとサンダードラゴンが合流。サビで一体感を生み出す手と頭の振りは、9人が揃うと一層賑やかに。

先ほどから同じ場所を彷徨っていること、そして扉の鍵は自分たちの力=音楽で開けられるかもしれないと気付き、新曲「ワチャ-ガチャ!」でオーディエンスと一緒に踊り、そのまま「Pendulum Beat!」「+IKUZE+」とアップナンバーを投下。その後、“終わってしまうという実感がない。そして、楽しい時間だから短く感じる”(和哉)、“アクシデントもあったけど、改めてこのグループが好きだと思った”(颯)とそれぞれ語り、洸希のビートボックスが冴え渡った「BROTHERHOOD」で再び絆を再確認した。

アンコールでは、「Believe」について洸希がラップ詞に挑戦した時についての苦悩を語ったことで、ジャン、洸希、和哉の3人がSUPER★DRAGONを結成してから経験してきた思い出を振り返ったというリリックがよりダイレクトに伝わってきた。そして、ひとり残らずまた会えるようにと気持ちを込めた「KITTO→ZETTAI」で多幸感に包みこんだ後、5th東阪ワンマンツアーを8月18日(金)豊洲PIT、8月27日(日)Zepp Osaka Baysideの2公演開催することを発表すると、割れんばかりの歓声がメンバーを祝福した。

本公演のほかにも“sense”と題した2部では、東京公演で山手線にちなんだソロ曲の披露(壮吾)、ループステーション&ビートボックス(洸希)、殺陣(和哉)、名古屋公演でアニメーションダンス(ジャン)、手袋から出るレーザーを操りながらのダンスパフォーマンス(彪馬)、キャップとシューズを取り入れたライトフィート(楽)などそれぞれが特殊能力として新しい挑戦を行なってきた本ツアー。最終公演で玲於、毅、颯も特殊能力を発揮し9人のセンス=扉の鍵が揃ったことで、迷い込んだ異世界から外へつながる扉がついに開き、『NUMBER 9 TOUR』は終了。

終演後には“次のツアーではさらにレベルアップした姿を観せたい”(玲於)、“今回のツアーでSUPER★DRAGONの新しい扉が開いたというイメージを持っているので、期待してほしい”(颯)と充実感にあふれた表情で語ってくれた。新たな一歩を踏み出したSUPER★DRAGONが次に観せてくれるものとは? ぜひその目で確かめてほしい。
この歌手の歌詞一覧 この歌手の動画一覧

SET LIST 曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。

  1. 【1部】

  2. 1.ジャケットダンス

  3. 3.BIG DIPPER

  4. 8.LiteFeet 〜CAP〜(サンダードラゴン)

  5. 9.リマカブロ!(サンダードラゴン)

  6. 10.GETSUYOUBI(サンダードラゴン)

  7. 11.LiteFeet 〜SHOES〜(ファイヤードラゴン)

  8. 12.PAYAPAYA(ファイヤードラゴン)

  9. 13.ARIGATO(ファイヤードラゴン)

  10. 16.ワチャ-ガチャ!

  11. <ENCORE>

  12. 1.Believe

  13. 【2部】

  14. 6.BIG DIPPER

  15. 8.特殊能力パフォーマンス(颯)

  16. 9.特殊能力パフォーマンス(玲於)

  17. 10.特殊能力パフォーマンス(毅)

  18. 11.リマカブロ!(サンダードラゴン)

  19. 12.INAZUMA(サンダードラゴン)

  20. 13.MIKAZUKI(ファイヤードラゴン)

  21. 14.PAYAPAYA(ファイヤードラゴン)

  22. 15.ワチャ-ガチャ!

  23. <ENCORE>

  24. 1

    1.Believe

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