LIVE REPORT

ビッケブランカ ライブレポート

ビッケブランカ

『Slave of Love Tour 2017』

2017年01月20日@渋谷WWW

撮影:星野健太/取材:山口智男

2017.01.27

昨年10月にリリースしたメジャーデビューミニアルバム『Slave of Love』を引っ提げ、福岡から札幌まで全国5都市を回ったツアーの東京公演は見事ソールドアウト。スタンディングの客席はギュウギュウ詰めだった。チケットを売りすぎたんじゃない? でも、それだけ大勢の人がビッケブランカのライヴを観たいと思ったということだろう。

『ライオンキング』の主題歌「Circle of Life」が流れる中、「Slave of Love」のMVで着ていた囚人服を連想させるボーダーの衣装で揃えたビッケブランカと4人のバンドメンバーが登場し、演奏は「ココラムウ」でスタート。これまでライヴのハイライトでやることが多かったこの曲をオープニングに持ってきたのは、『Slave of Love』の1曲目であることはもちろん、ハイライトを飾る曲はまだまだ他にもいくらでもあるぞという自信の表れか。
早速コール&レスポンスも飛び出した「追うBOY」他、アップテンポな曲の数々を、ピアノの鍵盤を連打したり、マイク片手にステージを飛び跳ねたりしながら畳み掛けると、観客は身を乗り出すように手を振り始め、場内の温度はどんどん上がっていった。デビューから2年ちょっと、僕はこの光景をずっと見たいと思ってきた。

自慢のファルセットも含め、さまざまな声色を使い、心の中の葛藤を再現したオペラ調の「Bad Boy Love」を挟んでからの中盤は、さざ波のように広がっていったシンガロングの声が深い余韻を残した「Echo」他、じっくりと聴かせる曲を並べ、序盤の狂騒とはまた違う味わい深さをアピール。中でも印象に残ったのは、初期の代表曲でもあるバラード「秋の香り」。インディーズでリリースした最初の作品に収録されているこの曲を聴き、ビッケブランカがデビューした時すでに聴く者の胸を打つ、良い曲を作っていたことを思い出しながら、ようやく周りの状況と環境が追いついてきたことを実感した。

上京してから10年、試行錯誤しながらやってきたことがこんなふうに実を結んだ感慨を語る一方で、『Slave of Love』制作時の隣人トラブル(もちろん解決済み)を面白可笑しく聞かせ、バンドメンバーをいじりながら笑いを取る曲間のMCもずいぶんと上達してきた。デビューするまではライヴにそんなに興味はなかったと、以前言っていたビッケブランカだが、人に訴えかけたいという気持ちは人いち倍持っている彼のことだから、ライヴの醍醐味に目覚めてしまえば、こっちのものだ。この日、アンコールの「Wake Up Sweetheart」も含めおよそ2時間にわたってくり広げた熱演は、もっともっと大勢の観客を巻き込み、そしてひとつにできるはず――。彼の名が多くの人に知られるきっかけになった「Natural Woman」から再びテンポアップ。「アシカダンス」「Slave of Love」、そして大きなシンガロングが沸き起こった「ファビュラス」まで、パワフルなライヴアンセムの数々をたたみかけた終盤のラストスパートに圧倒されながら筆者が感じたのは、それだった。
春には新たなアクションがあるという。ビッケブランカの勢いはまだまだ止まらない。
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  1. 6

    SPEECH

  2. 7

    Golden

  3. 10

    Echo

  4. 12

    タイトル未定

  5. <ENCORE>

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