LIVE REPORT

水樹奈々 ライブレポート

水樹奈々

『NANA MIZUKI LIVE ADVENTURE 2015』

2015年09月19日@西武プリンスドーム

撮影:上飯坂一/ 取材:榑林史章

2015.10.03

水樹奈々が9月19日に西武プリンスドームでツアーファイナルを開催。約2カ月半におよんだ旅が、ついに最終目的地に辿り着いた。ジープに乗って水樹が登場したほか、トロッコ型のコースターやホバークラフトまで飛び出した。ショートムービーの中では、トレジャーハンターに扮し、神殿の足場が崩れたり、転がってくる岩に追いかけられたりと、映画のようなスケールで大冒険を繰り広げた水樹。ライヴの後半には、神殿のようなステージセットが真っ二つに割れ、その中から登場した彼女が、ステージから吹き出した噴水の上で空中浮遊しながら歌うという、彼女らしいスケールの大きな演出でも魅せてくれた。

セットリストは、今年1月にリリースしたシングル「エデン」のカップリング曲「No Limit」で幕開けし、昨年のアルバム楽曲と今年のシングル曲を中心に構成された。広大なステージをダッシュで駆け回りながら、それでも息ひとつ切らさずに歌った「禁断のレジスタンス」。かわいらしいウエスタンファッションで聴かせた「レイジーシンドローム」。「あしたGraffiti」を歌う際には、同曲がCMに起用された愛媛銀行の制服を着たレア写真も披露されファンの心をくすぐった。

近年のツアーではあまり披露されなかった、デビュー当時の楽曲がたくさん歌われたことも今回のツアーの大きな特徴になっていた。「Justice to Believe」では正義感にあふれた真っ直ぐな歌声を響かせ、「inside of mind」では、4つ打ちのビートに合わせて、ダンサーチーム、チームヨーダとの息の合ったダンスも見せてくれた。MCで“久し振りに歌う”と紹介した「Nostalgia」は、秋っぽいこの日にぴったりの爽やかさ。ハーフサイズのスタンドマイクを使ってのパフォーマンスを繰り広げながら歌った「UNCHAIN∞WORLD」や、ハイトーンのサビメロを悠々と歌い聴かせた「Heart?shaped chant」など。毎回見ているファンでも、新鮮さを感じる内容になっていた。

また、声優として出演するアニメ『戦姫絶唱シンフォギアGX』で共演する高垣彩陽がゲストで登場し、同アニメの劇中歌「BAYONET CHARGER」をデュエットで熱唱するというサプライズも。まだCD音源化はされていなく、テレビでも1コーラスしか流れていないという激レアなナンバーに、ファンは大興奮。ペンライトを掲げ、声を挙げて盛り上がった。

西武ドームでのライブはこの日が6回目、スタジアム公演は10回目を数えるという。本編の最後には、ライヴで歌い続けて100回を超えたという定番曲「ETERNAL BLAZE」を熱唱。“777回目指して歌い続けます!”と宣言。またWアンコールでは、“アドベンチャーにはハッピーエンドがつきものなので、最上級のトゥルーエンドにしたいです。3万6,000人のモンキーダンスを見てみたくないですか?”と声をかけ、1stシングル「想い」のカップリング曲である「アノネ~まみむめ☆もがちょ~」を歌った。《きみに出会えてSO HAPPY》という歌詞が印象的なポップなナンバーで、アドベンチャーの目的=“お宝”は歌で、その歌の先にみんなとの出会いがあったというストーリー。キングレコードで「想い」をリリースしてから15年という節目、ずっと応援してきてくれているファンへの感謝の気持ちが詰まった選曲に、泣くほど喜んでいるファンもいた。

MCでは“さっき衣装替えをしに裏に戻ったとき、まつげの上に虫が乗っていて”と、野外ならではのハプニングを面白がっていた。ダジャレコーナーで盛り上げるひと幕もあるなど、多種多様な“冒険”で盛り上げたライヴ。“去年のツアーで行けなかった場所にも行けたので、今回のツアーは特別なものになりました”と彼女。新旧織り交ぜた選曲と多彩な演出、それらを可能にするストイックに鍛え上げられた彼女の肉体と七色の声色。水樹奈々というシンガーの底知れぬ可能性に、改めて驚愕したステージだった。
この歌手の歌詞一覧 この歌手の動画一覧

SET LIST 曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。

  1. 9

    BAYONET CHARGE/風鳴 翼×雪音クリス(CV:水樹奈々×高垣彩陽)

  2. 11

    Nocturne ?revision-

  3. 14

    あしたのgraffiti

  4. <ENCORE>

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