LIVE REPORT

MERRY ライブレポート

MERRY

『Grateful Year 2015 「ヴァニラスカイアバンギャルド」』

2015年01月02日@渋谷公会堂

撮影:中村卓/取材:土内 昇

2015.01.08

“Grateful Year”と謳い、“夜明け”をタイトルに掲げた、MERRYの2015年の幕開けを飾るライヴ。それは意思表明ともとれるアクトだったと言える。最新アルバム『NOnsenSe MARkeT』は“MERRYっぽい”を濃くすることがテーマだったこともあって、同作を主軸に置いたセットリストは当然のようにMERRYの深部を鮮明に曝け出していた。また、今のバンド力で従来のコアナンバーがプレイされることで、それらがより濃く、毒々しく、そして痛く、MERRYというバンドの特異性を浮き彫りにしていたことも特筆すべきところ。アコーステッィク編成で披露された「チック・タック」、アコーディオン奏者としてTHE CHERRY COKE$のTOMOを迎えて披露された「千代田線デモクラシー」などが醸し出す哀愁感や悲哀が、MERRYの音世界をよりディープに彩っていた。そんな矢継ぎ早に繰り出される新旧の楽曲に触れ、ふと思ったことがある。自虐的に自分を責め、自分を嘲笑うことで、自分の居場所を作り、自分を受け入れる...そういうものがMERRYの音楽の根底に脈々と流れているのかもしれない、と。『NOnsenSe MARkeT』の取材でガラ(Vo)が“俺の全てをさらけ出そうと思った”と語っていたが、同作で表現が直接的になったことで、そこが色濃く感じられたのだろう。MERRYを突き詰めた最強のアルバムを武器に、MERRYというバンドを提示した同公演。しかも、アンコールでは頸髄損傷で療養中のテツ(Ba)がサプライズで登場し、そのままオーラスの「群青」を5人で演奏する場面もあり、ここをスタートに“Grateful Year”を駆け抜ける!という、未年でもある2015年に懸けるMERRYの意気込みを肌で感じたライヴだった。
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  1. 1

    iNtO the mARkeT

  2. 8

  3. 9

    チック・タック(アコースティック)

  4. 10

    路地裏哀歌(アコースティック)

  5. 12

    頭がザクロ

  6. 14

    バイオレットゾンビ

  7. 15

    Station 07

  8. 17

    絶望

  9. 20

  10. <ENCORE1>

  11. 21

    Unreachable Voice(アコースティック)

  12. 22

    ラストスノー(アコースティック)

  13. <ENCORE2>

  14. 23

    T.O.P

  15. 24

    群青

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