山口瑠美の歌詞一覧リスト  28曲中 1-28曲を表示

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曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
雨の錦帯橋人目があります 橋の上 目と目で別れを 告げた人 かすむあなたの うしろ影 涙連(つら)なる 雨の 雨の錦帯橋(きんたいきょう) つらい噂に 流されて 消えて儚(はかな)い 恋ひとつ  舞い散る桜も 降る雪も 寄り添いながめた 隠れ宿 悔いはしません この恋を 傘が重たい 雨の 雨の錦帯橋(きんたいきょう) 息を秘(ひそ)めて 待つ恋を なぜに世間は 引き離す  心ひとつに 重ねても 二人で渡れぬ 錦川(にしきがわ) 泣いているよな せせらぎに 未練連(つら)なる 雨の 雨の錦帯橋(きんたいきょう) 後は追わない 約束は 守り抜きます つらくても山口瑠美麻こよみ四方章人南郷達也人目があります 橋の上 目と目で別れを 告げた人 かすむあなたの うしろ影 涙連(つら)なる 雨の 雨の錦帯橋(きんたいきょう) つらい噂に 流されて 消えて儚(はかな)い 恋ひとつ  舞い散る桜も 降る雪も 寄り添いながめた 隠れ宿 悔いはしません この恋を 傘が重たい 雨の 雨の錦帯橋(きんたいきょう) 息を秘(ひそ)めて 待つ恋を なぜに世間は 引き離す  心ひとつに 重ねても 二人で渡れぬ 錦川(にしきがわ) 泣いているよな せせらぎに 未練連(つら)なる 雨の 雨の錦帯橋(きんたいきょう) 後は追わない 約束は 守り抜きます つらくても
海蛍暗い波間に 漂(ただよ)いながら 誰をさがすか 海蛍 砂に消え行く 波音が 女の心を また泣かす… あなたにあなたに 愛されてると 信じていたのは 私だけ 涙ほろほろ 哀しみ抱いて ひとりたたずむ 夜の海  恋にはぐれた 涙の色か 青くきらめく 海蛍 戻るあてさえ ない人を 待つのは愚かな ことですか… 二人に二人に 別れが来ると 知らずにいたのは 私だけ 潮風(かぜ)にゆらゆら 乱れる心 少しあなたを 怨みます  あなたにあなたに 愛されてると 信じていたのは 私だけ 夢も散り散り こぼれて落ちて ひとりぼっちの 夜の海山口瑠美麻こよみ徳久広司宮崎慎二暗い波間に 漂(ただよ)いながら 誰をさがすか 海蛍 砂に消え行く 波音が 女の心を また泣かす… あなたにあなたに 愛されてると 信じていたのは 私だけ 涙ほろほろ 哀しみ抱いて ひとりたたずむ 夜の海  恋にはぐれた 涙の色か 青くきらめく 海蛍 戻るあてさえ ない人を 待つのは愚かな ことですか… 二人に二人に 別れが来ると 知らずにいたのは 私だけ 潮風(かぜ)にゆらゆら 乱れる心 少しあなたを 怨みます  あなたにあなたに 愛されてると 信じていたのは 私だけ 夢も散り散り こぼれて落ちて ひとりぼっちの 夜の海
お酒の歌友と飲む酒 辛い酒 気取らぬ中なら なおのこと お猪口がいつか コップ酒 色々あって 今日もまた 飲みましょう 飲みましょう 今夜はお前と 二人酒  父と飲む酒 苦い酒 肝の話は しないけど 黙って飲めば 伝わるの お前が良けりゃ それでいい 飲みましょう 飲みましょう 言葉が途切れて 親子酒  ワイングラスに注がれた 最後のお酒を 味わって 街の明かりが 潤んでいる 今夜はきっと 帰らない 飲みましょう 飲みましょう 酔ったふりして 夢の中  飲みましょう 飲みましょう 酔ったふりして 夢の中山口瑠美山口瑠美齋藤隆広杉山ユカリ友と飲む酒 辛い酒 気取らぬ中なら なおのこと お猪口がいつか コップ酒 色々あって 今日もまた 飲みましょう 飲みましょう 今夜はお前と 二人酒  父と飲む酒 苦い酒 肝の話は しないけど 黙って飲めば 伝わるの お前が良けりゃ それでいい 飲みましょう 飲みましょう 言葉が途切れて 親子酒  ワイングラスに注がれた 最後のお酒を 味わって 街の明かりが 潤んでいる 今夜はきっと 帰らない 飲みましょう 飲みましょう 酔ったふりして 夢の中  飲みましょう 飲みましょう 酔ったふりして 夢の中
想い出酒場窓辺に揺れる 折り鶴さえも 変わらぬままの 想い出酒場 どうしていますか あなた 幸せですか ひとり止まり木 瞳(め)を閉じて さがす面影 お酒が沁みる  涙で聞いた 別れの言葉 あの日のつらさ 思えば泣ける 覚えていますか あなた 私のことを 戻るはずない 人なのに にじむため息 お酒が沁みる  しとしと窓に 降り出す雨が 淋(さみ)しさ連れて 私を泣かす どうしていますか あなた 幸せですか ひとり止まり木 酔うほどに つのる逢いたさ お酒が沁みる山口瑠美麻こよみ四方章人南郷達也窓辺に揺れる 折り鶴さえも 変わらぬままの 想い出酒場 どうしていますか あなた 幸せですか ひとり止まり木 瞳(め)を閉じて さがす面影 お酒が沁みる  涙で聞いた 別れの言葉 あの日のつらさ 思えば泣ける 覚えていますか あなた 私のことを 戻るはずない 人なのに にじむため息 お酒が沁みる  しとしと窓に 降り出す雨が 淋(さみ)しさ連れて 私を泣かす どうしていますか あなた 幸せですか ひとり止まり木 酔うほどに つのる逢いたさ お酒が沁みる
音頭「水戸黄門」あゝ人生に涙ありPLATINA LYLIC人生楽ありゃ苦もあるさ 涙のあとには虹も出る 歩いてゆくんだしっかりと 自分の道をふみしめて  人生勇気が必要だ くじけりゃ誰かが先に行く あとからきたのに追い越され 泣くのがいやならさあ歩け  人生涙と笑顔あり そんなに悪くはないもんだ なんにもしないで生きるより 何かを求めて生きようよPLATINA LYLIC山口瑠美山上路夫木下忠司人生楽ありゃ苦もあるさ 涙のあとには虹も出る 歩いてゆくんだしっかりと 自分の道をふみしめて  人生勇気が必要だ くじけりゃ誰かが先に行く あとからきたのに追い越され 泣くのがいやならさあ歩け  人生涙と笑顔あり そんなに悪くはないもんだ なんにもしないで生きるより 何かを求めて生きようよ
おんなの花向かい風でも 嵐でも それでも夢を 失くさない そんなあなたが 好きだから 泣いたりしません 苦労には 女の花を 幸せを あなたのそばで 咲かせたい  無理はするなと この指を 優しく撫でて くれる人 目には見えない 心糸 結んでおきます しっかりと あなたの夢を 後ろから 笑顔できっと 支えます  心休める 陽だまりを つくっています この胸に そっと口紅 引き直し あなたの帰りを 待ちわびる 女の花を 幸せを あなたの胸で 咲かせたい山口瑠美麻こよみ四方章人南郷達也向かい風でも 嵐でも それでも夢を 失くさない そんなあなたが 好きだから 泣いたりしません 苦労には 女の花を 幸せを あなたのそばで 咲かせたい  無理はするなと この指を 優しく撫でて くれる人 目には見えない 心糸 結んでおきます しっかりと あなたの夢を 後ろから 笑顔できっと 支えます  心休める 陽だまりを つくっています この胸に そっと口紅 引き直し あなたの帰りを 待ちわびる 女の花を 幸せを あなたの胸で 咲かせたい
歌謡物語 山内一豊と妻千代北に四国の山地を控え 眼下にうねる外堀は 江ノ口、潮江(うしおえ)流れを分かち 浦戸の海に注ぐ川 間(あい)の大高坂山に 聳(そび)える天主は高知城  武士は駿馬で駈けてこそ 徒歩の功名成り難し 織田に豊臣、徳川と 主代えての御奉公 賢才、才女の妻千代に 支えられたる功名で 見事戦国乱世に 掴み取ったる一国一城 土佐は二十四万石よ 山内一豊と妻千代の 立身出世の物語  「千代、儂はどうしてもあの馬が欲しい。褐色、赤、黄の差毛に 白毛(しろげ)が混じった見事な葦毛雲雀(あしげひばり)。 たてがみは焦茶色(こげちゃいろ)で、尾までもが黄味を帯びておった。 肩は怒るが如く股も逞(たくま)しく張り、四足は力強く大地を踏みしめ、 山鹿のよに軽やかに儂の目の前を駈けて行きおったわ。 誠(まっこと)日本一の名馬じゃ!儂はあの馬に跨り、縦横無人に 戦場(いくさば)を駈け巡って、この槍一本で功名を立てるのじゃ。 だがのう…、ついた値段が金十両。貧乏侍のこの一豊にはとうてい 手が出せぬ、土台無理な話よ。所詮叶わぬ願い、夢のまた夢じゃ…」 「一豊様、その馬お買いなさいませ。 その名馬に打ち跨り見事功名お上げなされませ。」 「何を痴れた事を!千代、十両といえばこの長浜の屋敷が幾つも 手に入れられるという金子。例え二千石取りといえども身代以上に 家人を扶持するこの山内の屋敷のどこにそんな金子があろうか…」 「一豊様、私はこの家に嫁いで来た夜、あなた様とお約束を致しました。 私は武士の妻として、かならずあなた様を一国一城の主にして見せますと。 お待ちくださりませ…。さあ、ここに金十両が御座います。 これで日本一の名馬とやらを、お買い求めくださいませ。」 「なな、何と。そなたそのような大金を如何にして…」 「この金子は私が嫁いで来た折り、婿殿の一大事に用立てるようにと、 私の伯父上様が密かに鏡箱の底に遣(つか)わせてくださったもの。 さあ、今がその山内家の一大事、どうぞ存分にお使いあそばせませ。」 「千代、そなたという女子は…。合い分かった、儂はそなたの為にも 武士の本懐を遂げ、一国一城の主になってみせるぞ!」 「一豊様……。」  天正九年は二月も末の 京の内裏の東方 南北八丁の大広場 天子出御は織田信長の 史上名高き馬揃え  空に響いた大太鼓 馬揃え告げる辰の刻 一陣二陣三陣と 並足打たせる馬印 あれは先駆の大名達よ 過ぎりゃ織田家の家紋が通る 再び続く諸大名 羽柴秀吉十騎の後に 馬蹄戛戛(かつかつ)響かせて 葦毛雲雀が現れた時 あっと響動(どよめ)く十万の民 桟敷に起こる賞賛の 声割って立ち上がる 頼朝越えた右大臣 天下に命ずる織田信長は 軍扇真直ぐ指し示し  「おおっ、あれこそは馬で知れたる伊右衛門か、誠(まっこと)見事な 葦毛雲雀じゃ。いやはや、良き武者振りかな。伊右衛門めに 馬代(うましろ)として二百石を加増してやれい。」  戦国の世の倣いとて 天下は十日で塗り変わる 織田は明智に討ち取られ 明智は転がる天王山 稀代の英雄筑前も つゆと消えにしなにわの夢か 御膳に盛られた天下餅 食する徳川家康の 天下分け目の関が原  「徳川殿に申し上げまする。某にも先陣の役お与えくださりますよう。 居城と遠江(おとうみ)掛川を明渡し、兵糧・武器・知行地の一切合財を 徳川殿に進上致しました上、我が掛川六万石の全兵力を持って西に向かい、 謀叛人石田治部少輔(じぶしょうゆう)を、何卒討たせてくださりませ。」 「おおつ、かたじけなや対馬守殿。よくぞ申された、 我に生死お預けなさるとな。これで軍(いくさ)には勝ったも同然。 これぞ古来に例を見ぬ、合戦に先駆けた大きな功名よな。」  慶長五年九月十五日、 夜を籠めて降り続いた雨で濃い霧に包まれた関が原一帯 先鋒・福島正則、黒田長政、細川忠興、藤堂高虎、京極高知、加藤嘉明、 筒井定次、松平忠政・忠吉、井伊直政の前線部隊。 中軍には徳川本隊、後衛には池田輝政、浅野幸長、山内一豊、有馬豊氏 合わせて十万余の東軍が陣取れば、対峙するは、西軍本隊石田、島津、 小西、宇喜多の隊。早々と布陣したる大谷、小早川、毛利、吉川、 長束(つか)、安国寺、長曽我部隊、合わせて八万五千なり。 雲は東に流れて辰の刻、突如静寂(しじま)を破る陣貝の音。 先ず先鋒・福島隊が天満山の山裾に向かって切り込めば、突き崩されたる 宇喜多隊ハッシと陣を立て直し、突き返す事四丁五丁。 さらに石田の本隊が、迎える東軍主力を真っ二つ、 徳川本陣近くに突き寄せば、西軍優勢との物見の報告。  「馬引け、馬引け、馬引け。もはや裏手の敵は動かぬ。皆の者、 咆えろや、唸れや、武者声をあげよ。この一豊に続け、いざ出陣じゃ!」  振り返り見れば徳川本陣より鳴り渡る陣貝・陣鼓の音。 されど石田騎馬隊の勇悍(ようかん)決死の突撃に、 もろくも崩れ去る徳川兵団。 その時、松尾山の頂から突如湧き起こった鬨の声。 自軍大谷吉継の陣地に襲い掛からんとする、西軍小早川秀秋一万六千余の 裏切りの旗幟は明らかなり。  「おおっ、動いた動いた動いた、松尾山が動いたぞ。 さてこそは金吾の裏切りぞ。皆の者、この機を外すな。 押せや押せや押せや…」  轟き渡る武者声に 東軍全軍奮い立ち 突き返したる敵陣に 怒涛の如く雪崩れ込む 歴史に残る大戦(おおいくさ) 関が原の合戦も ついには西軍総崩れ  「千代、浦戸の海がキラキラと、鏡の如く煌いて光っておる。 この一幅の絵のような見事な景色までもが、我が山内家の領土であろうか。 土佐二十四万石、一国一城を手に成す為、儂はこれまで 幾多の戦場(いくさば)を駈け巡ってまいった。首坂の戦では 三段崎(みたざき)勘右衛門の放った矢が儂の左頬を射抜き、 口を貫いて右の奥歯の根元に突き刺さった。それを吉兵衛めが儂の顔を 草鞋で踏みつけ、力まかせに引き抜きおったわ。だがのう、その吉兵衛も 伊勢亀山の城攻めで亡くしてしもうた。吉兵衛だけではない、多くの家来が 儂の武功の陰で散って逝きおった。天正の大(おお)地震では 長浜の城の下敷きになって、よね姫までもがあの世へ逝ってしもうた。 儂は土佐二十四万石と引き換えに、多くのものを失った。 儂の掲げた功名に何の意味があったであろうか。 儂にはもう何も残ってはおらぬ、そなた以外もう何も残ってはおらぬ。 千代、そなたのこの手の温もりが、凍えた戦場での儂の心を暖めてくれた。 儂だけではない、儂の家来までもが、そなたの笑顔見たさに 我に功名を上げさせてくれたのじゃ。 千代!そなた、生涯この手を放すでないぞ。」  土佐の高知は 一領具足 死をも恐れぬ いごっそう 寛厳自在の 苦労苦心で 鎮撫平定いたします 山内家は十六代と 二百七十年間の 基礎を固めて 揺るぎなく 国は安泰 栄えあれ山口瑠美中里はる中里はる西村幸輔北に四国の山地を控え 眼下にうねる外堀は 江ノ口、潮江(うしおえ)流れを分かち 浦戸の海に注ぐ川 間(あい)の大高坂山に 聳(そび)える天主は高知城  武士は駿馬で駈けてこそ 徒歩の功名成り難し 織田に豊臣、徳川と 主代えての御奉公 賢才、才女の妻千代に 支えられたる功名で 見事戦国乱世に 掴み取ったる一国一城 土佐は二十四万石よ 山内一豊と妻千代の 立身出世の物語  「千代、儂はどうしてもあの馬が欲しい。褐色、赤、黄の差毛に 白毛(しろげ)が混じった見事な葦毛雲雀(あしげひばり)。 たてがみは焦茶色(こげちゃいろ)で、尾までもが黄味を帯びておった。 肩は怒るが如く股も逞(たくま)しく張り、四足は力強く大地を踏みしめ、 山鹿のよに軽やかに儂の目の前を駈けて行きおったわ。 誠(まっこと)日本一の名馬じゃ!儂はあの馬に跨り、縦横無人に 戦場(いくさば)を駈け巡って、この槍一本で功名を立てるのじゃ。 だがのう…、ついた値段が金十両。貧乏侍のこの一豊にはとうてい 手が出せぬ、土台無理な話よ。所詮叶わぬ願い、夢のまた夢じゃ…」 「一豊様、その馬お買いなさいませ。 その名馬に打ち跨り見事功名お上げなされませ。」 「何を痴れた事を!千代、十両といえばこの長浜の屋敷が幾つも 手に入れられるという金子。例え二千石取りといえども身代以上に 家人を扶持するこの山内の屋敷のどこにそんな金子があろうか…」 「一豊様、私はこの家に嫁いで来た夜、あなた様とお約束を致しました。 私は武士の妻として、かならずあなた様を一国一城の主にして見せますと。 お待ちくださりませ…。さあ、ここに金十両が御座います。 これで日本一の名馬とやらを、お買い求めくださいませ。」 「なな、何と。そなたそのような大金を如何にして…」 「この金子は私が嫁いで来た折り、婿殿の一大事に用立てるようにと、 私の伯父上様が密かに鏡箱の底に遣(つか)わせてくださったもの。 さあ、今がその山内家の一大事、どうぞ存分にお使いあそばせませ。」 「千代、そなたという女子は…。合い分かった、儂はそなたの為にも 武士の本懐を遂げ、一国一城の主になってみせるぞ!」 「一豊様……。」  天正九年は二月も末の 京の内裏の東方 南北八丁の大広場 天子出御は織田信長の 史上名高き馬揃え  空に響いた大太鼓 馬揃え告げる辰の刻 一陣二陣三陣と 並足打たせる馬印 あれは先駆の大名達よ 過ぎりゃ織田家の家紋が通る 再び続く諸大名 羽柴秀吉十騎の後に 馬蹄戛戛(かつかつ)響かせて 葦毛雲雀が現れた時 あっと響動(どよめ)く十万の民 桟敷に起こる賞賛の 声割って立ち上がる 頼朝越えた右大臣 天下に命ずる織田信長は 軍扇真直ぐ指し示し  「おおっ、あれこそは馬で知れたる伊右衛門か、誠(まっこと)見事な 葦毛雲雀じゃ。いやはや、良き武者振りかな。伊右衛門めに 馬代(うましろ)として二百石を加増してやれい。」  戦国の世の倣いとて 天下は十日で塗り変わる 織田は明智に討ち取られ 明智は転がる天王山 稀代の英雄筑前も つゆと消えにしなにわの夢か 御膳に盛られた天下餅 食する徳川家康の 天下分け目の関が原  「徳川殿に申し上げまする。某にも先陣の役お与えくださりますよう。 居城と遠江(おとうみ)掛川を明渡し、兵糧・武器・知行地の一切合財を 徳川殿に進上致しました上、我が掛川六万石の全兵力を持って西に向かい、 謀叛人石田治部少輔(じぶしょうゆう)を、何卒討たせてくださりませ。」 「おおつ、かたじけなや対馬守殿。よくぞ申された、 我に生死お預けなさるとな。これで軍(いくさ)には勝ったも同然。 これぞ古来に例を見ぬ、合戦に先駆けた大きな功名よな。」  慶長五年九月十五日、 夜を籠めて降り続いた雨で濃い霧に包まれた関が原一帯 先鋒・福島正則、黒田長政、細川忠興、藤堂高虎、京極高知、加藤嘉明、 筒井定次、松平忠政・忠吉、井伊直政の前線部隊。 中軍には徳川本隊、後衛には池田輝政、浅野幸長、山内一豊、有馬豊氏 合わせて十万余の東軍が陣取れば、対峙するは、西軍本隊石田、島津、 小西、宇喜多の隊。早々と布陣したる大谷、小早川、毛利、吉川、 長束(つか)、安国寺、長曽我部隊、合わせて八万五千なり。 雲は東に流れて辰の刻、突如静寂(しじま)を破る陣貝の音。 先ず先鋒・福島隊が天満山の山裾に向かって切り込めば、突き崩されたる 宇喜多隊ハッシと陣を立て直し、突き返す事四丁五丁。 さらに石田の本隊が、迎える東軍主力を真っ二つ、 徳川本陣近くに突き寄せば、西軍優勢との物見の報告。  「馬引け、馬引け、馬引け。もはや裏手の敵は動かぬ。皆の者、 咆えろや、唸れや、武者声をあげよ。この一豊に続け、いざ出陣じゃ!」  振り返り見れば徳川本陣より鳴り渡る陣貝・陣鼓の音。 されど石田騎馬隊の勇悍(ようかん)決死の突撃に、 もろくも崩れ去る徳川兵団。 その時、松尾山の頂から突如湧き起こった鬨の声。 自軍大谷吉継の陣地に襲い掛からんとする、西軍小早川秀秋一万六千余の 裏切りの旗幟は明らかなり。  「おおっ、動いた動いた動いた、松尾山が動いたぞ。 さてこそは金吾の裏切りぞ。皆の者、この機を外すな。 押せや押せや押せや…」  轟き渡る武者声に 東軍全軍奮い立ち 突き返したる敵陣に 怒涛の如く雪崩れ込む 歴史に残る大戦(おおいくさ) 関が原の合戦も ついには西軍総崩れ  「千代、浦戸の海がキラキラと、鏡の如く煌いて光っておる。 この一幅の絵のような見事な景色までもが、我が山内家の領土であろうか。 土佐二十四万石、一国一城を手に成す為、儂はこれまで 幾多の戦場(いくさば)を駈け巡ってまいった。首坂の戦では 三段崎(みたざき)勘右衛門の放った矢が儂の左頬を射抜き、 口を貫いて右の奥歯の根元に突き刺さった。それを吉兵衛めが儂の顔を 草鞋で踏みつけ、力まかせに引き抜きおったわ。だがのう、その吉兵衛も 伊勢亀山の城攻めで亡くしてしもうた。吉兵衛だけではない、多くの家来が 儂の武功の陰で散って逝きおった。天正の大(おお)地震では 長浜の城の下敷きになって、よね姫までもがあの世へ逝ってしもうた。 儂は土佐二十四万石と引き換えに、多くのものを失った。 儂の掲げた功名に何の意味があったであろうか。 儂にはもう何も残ってはおらぬ、そなた以外もう何も残ってはおらぬ。 千代、そなたのこの手の温もりが、凍えた戦場での儂の心を暖めてくれた。 儂だけではない、儂の家来までもが、そなたの笑顔見たさに 我に功名を上げさせてくれたのじゃ。 千代!そなた、生涯この手を放すでないぞ。」  土佐の高知は 一領具足 死をも恐れぬ いごっそう 寛厳自在の 苦労苦心で 鎮撫平定いたします 山内家は十六代と 二百七十年間の 基礎を固めて 揺るぎなく 国は安泰 栄えあれ
臥龍梅永い年月 生き抜いて 地を這う花の 臥龍梅(がりょうばい) 苔むす幹は白壁の 白壁の 陰で静かに背を丸め 地面に向かい 咲いている  耳を澄ませば 聞こえます やさしい父の 口癖が 小さな花は土深く 土深く 根を張り生きて春を待つ おまえもそんな 花になれ  南枝北枝(なんしほくし)の 梅の花 同じ時には 咲かぬもの 都会暮らしが長くても 長くても いつも私をささえてる 命をつむぐ 臥龍梅山口瑠美山口瑠美糸間圭伊戸のりお永い年月 生き抜いて 地を這う花の 臥龍梅(がりょうばい) 苔むす幹は白壁の 白壁の 陰で静かに背を丸め 地面に向かい 咲いている  耳を澄ませば 聞こえます やさしい父の 口癖が 小さな花は土深く 土深く 根を張り生きて春を待つ おまえもそんな 花になれ  南枝北枝(なんしほくし)の 梅の花 同じ時には 咲かぬもの 都会暮らしが長くても 長くても いつも私をささえてる 命をつむぐ 臥龍梅
北しぐれ糸より細い あなたの噂 頼りに海峡 越えて来た 黙って消えた その理由(わけ)を 逢って聞きたい あなたから 逢わせて下さい 今度こそ 涙しぐれる 北の町  あなたが通う 港の酒場 ひと足遅れの すれ違い 恋しい人を 呼ぶように 声をかぎりに 泣く霧笛 返してください 幸せを 女しぐれる 北の空  重荷になって いたのでしょうか おんなの心の 一途(いちず)さが ショールを肩に 羽織っても 胸のしんまで 震えます 逢わせて下さい 今度こそ 心しぐれる 北の町山口瑠美麻こよみ四方章人南郷達也糸より細い あなたの噂 頼りに海峡 越えて来た 黙って消えた その理由(わけ)を 逢って聞きたい あなたから 逢わせて下さい 今度こそ 涙しぐれる 北の町  あなたが通う 港の酒場 ひと足遅れの すれ違い 恋しい人を 呼ぶように 声をかぎりに 泣く霧笛 返してください 幸せを 女しぐれる 北の空  重荷になって いたのでしょうか おんなの心の 一途(いちず)さが ショールを肩に 羽織っても 胸のしんまで 震えます 逢わせて下さい 今度こそ 心しぐれる 北の町
恋ひととせ叶えるだけが 恋でしょうか 身を引くことは 愚かでしょうか あのひととせの 思い出抱いて 五度目の春に ふと立ち止まる いいえ私は しあわせでした 散りゆく桜が 教えています あえかに咲いても 花は花 叶わなくても 恋は恋  忘れてしまう ものでしょうか 懐かしむ日が 来るのでしょうか あの夕立に 駆け出すふたり まぶしい日々に ただ目を閉じる いいえ私は しあわせでした やさしい雨が 笑っています ひとひら欠けても 花は花 届かなくても 恋は恋  いいえ私は しあわせでした 二度とは逢えない 運命(さだめ)としても どこに咲いても 花は花 実らなくても 恋は恋山口瑠美森坂とも金田一郎石倉重信叶えるだけが 恋でしょうか 身を引くことは 愚かでしょうか あのひととせの 思い出抱いて 五度目の春に ふと立ち止まる いいえ私は しあわせでした 散りゆく桜が 教えています あえかに咲いても 花は花 叶わなくても 恋は恋  忘れてしまう ものでしょうか 懐かしむ日が 来るのでしょうか あの夕立に 駆け出すふたり まぶしい日々に ただ目を閉じる いいえ私は しあわせでした やさしい雨が 笑っています ひとひら欠けても 花は花 届かなくても 恋は恋  いいえ私は しあわせでした 二度とは逢えない 運命(さだめ)としても どこに咲いても 花は花 実らなくても 恋は恋
寿宝船赫(あか)らむ頬を コートで隠し 嫁入り船に 乗るあの娘 いいね いいね 今日からあのひとを うちの人って 呼ぶんだね おめでとうおめでとう よかったね 寿宝船  何にも持たず お嫁に来いと あのひと言って くれたのね いいね いいね いい人みつけたね そうよ愛する 心こそ 何よりの何よりの 贈りもの 寿宝船  鶴亀のせて 嫁入り船が みかんの島を 遠ざかる いいね いいね ふられた男衆(おとこし)も 君の倖せ 祈ってる おめでとうおめでとう よかったね 寿宝船山口瑠美星野哲郎市川昭介赫(あか)らむ頬を コートで隠し 嫁入り船に 乗るあの娘 いいね いいね 今日からあのひとを うちの人って 呼ぶんだね おめでとうおめでとう よかったね 寿宝船  何にも持たず お嫁に来いと あのひと言って くれたのね いいね いいね いい人みつけたね そうよ愛する 心こそ 何よりの何よりの 贈りもの 寿宝船  鶴亀のせて 嫁入り船が みかんの島を 遠ざかる いいね いいね ふられた男衆(おとこし)も 君の倖せ 祈ってる おめでとうおめでとう よかったね 寿宝船
この道古い写真に 残された 若いあなたと 小さな私 無邪気に笑う その肩を そっと支える 大きな手  花を手折れば 花の名を 空が陰れば 雲の名を 涙ながせば そのわけを 優しく聞いて くれた人  母が小さな 手を引いて 歩いた 知らぬこの道に いつか 小さな 花が咲いたら 今度は 私が その手を引いて あの日と同じ 陽だまりを 二人で 歩こう  寂しがりやの 頑固者 悪いとこだけ 似たようと うつむき 笑う 横顔が 少し小さく 見えた春  泣いた数だけ 優しさを 胸に刻んで 生きて行く 誰も知らない 傷のあと 心に咲かす 冬の花  母が小さな 手を引いて 歩いた 知らぬこの道に いつか 小さな 花が咲いたら 今度は 私が その手を引いて あの日と同じ 陽だまりを 二人で 歩こう 二人で 歩こう山口瑠美山口瑠美齋藤隆広大久保明古い写真に 残された 若いあなたと 小さな私 無邪気に笑う その肩を そっと支える 大きな手  花を手折れば 花の名を 空が陰れば 雲の名を 涙ながせば そのわけを 優しく聞いて くれた人  母が小さな 手を引いて 歩いた 知らぬこの道に いつか 小さな 花が咲いたら 今度は 私が その手を引いて あの日と同じ 陽だまりを 二人で 歩こう  寂しがりやの 頑固者 悪いとこだけ 似たようと うつむき 笑う 横顔が 少し小さく 見えた春  泣いた数だけ 優しさを 胸に刻んで 生きて行く 誰も知らない 傷のあと 心に咲かす 冬の花  母が小さな 手を引いて 歩いた 知らぬこの道に いつか 小さな 花が咲いたら 今度は 私が その手を引いて あの日と同じ 陽だまりを 二人で 歩こう 二人で 歩こう
さくら草泣くなと言われ なおさらに 嬉し涙が こぼれます お願いあなた もう二度と どこへもどこへも 行かないで きっと帰ると 信じて待って 咲いて薄紅  さくら草  あなたが二度と 戻らない そんな夢みて 泣いた夜 お願いあなた もう一度 私を私を 抱きしめて つらい思い出 心にしまい かわす笑顔の さくら草  あなたの好きな 長い髪 ずっと切らずに おきました お願いあなた もう二度と どこへもどこへも 行かないで きっと二人が 離れぬように 咲いて寄り添う さくら草山口瑠美麻こよみ徳久広司宮崎慎二泣くなと言われ なおさらに 嬉し涙が こぼれます お願いあなた もう二度と どこへもどこへも 行かないで きっと帰ると 信じて待って 咲いて薄紅  さくら草  あなたが二度と 戻らない そんな夢みて 泣いた夜 お願いあなた もう一度 私を私を 抱きしめて つらい思い出 心にしまい かわす笑顔の さくら草  あなたの好きな 長い髪 ずっと切らずに おきました お願いあなた もう二度と どこへもどこへも 行かないで きっと二人が 離れぬように 咲いて寄り添う さくら草
幸せ一歩人に踏まれて道端に 咲いてる花の いじらしさ いつも笑顔で 生きてたら 巡り合うでしょ 幸せに 一歩づつ 一歩づつ 歩いて行きます  心ひとつに 重ねても いつかいつしか すれ違い つらい過去(むかし)の 思い出は そっと涙で 流します しっかりと しっかりと 歩いて行きます  夢という名の 落し物 拾えばいいの もう一度 我慢くらべの 苦労坂 いつか止みます 向い風 明日もまた 明日もまた 歩いて行きます山口瑠美麻こよみ四方章人南郷達也人に踏まれて道端に 咲いてる花の いじらしさ いつも笑顔で 生きてたら 巡り合うでしょ 幸せに 一歩づつ 一歩づつ 歩いて行きます  心ひとつに 重ねても いつかいつしか すれ違い つらい過去(むかし)の 思い出は そっと涙で 流します しっかりと しっかりと 歩いて行きます  夢という名の 落し物 拾えばいいの もう一度 我慢くらべの 苦労坂 いつか止みます 向い風 明日もまた 明日もまた 歩いて行きます
至高の王将~三吉、小春の物語~2020年バージョン苦労升目は八十一の 命削った端切(はぎれ)板 女房子供にゃすまないけれど 退くに退けない端歩(はしほ)突き 将棋の鬼と世に謳われた 王将坂田三吉と女房小春の物語  千里飛び越す 飛車角も 合いの歩一つで 手が詰まる 胸突き八丁 棟割長屋 明日のあてない 暮らしでも いつかとト金で 竜を斬る  「小春、生きとったんかあ!よかったよかった。ワイは心配で心配で‥‥」 「あんた、わてがどないな気持ちで生き恥さらして帰ってきたんか、 分かりまっか?この子等の手引っ張って今宮はんの踏み切りに 飛び込もうとした時に、玉江と義雄が何て言うたか、 あんた知りはれしまへんやろ! ―あたいらがお母ちゃんといくのはかめへんけど、 残ったお父ちゃんどうすんの。お父ちゃんはご飯もよう炊かはらへんし、 お腹すいて死んでしまいはる、可哀想や。 ―‥‥て、そんな事言うたんやで。」 「アア…堪忍や堪忍や、小春堪忍やで。ワイは目が覚めた。 勝負師や、素人名人やら言われてのぼせとったワイが悪かった。 ちょっと待ってや‥‥エエイこんなもんこうしてやる。」 「アッ、何しはりまんねん。」 「かめへん、かめへんねん。小春。ワイは金輪際将棋は指さへん。 お前らに苦労はさせへんで。」 「あんた!」  闇に突き出た通天閣の 赤い灯青い灯瓦に反射(はね)て 寝返り打った三吉の 目に涙止め処なく 阿弥陀ケ池の藤の茶屋 屈辱無念の千日手 何で忘れられようか そっと表に忍び出て 割れた板目を接(つ)いでみる  「あんた、あんたは本真に将棋が好きなんやな。よっしゃ、かめしまへん。 そんな好きな将棋やったら思う存分指しなはれな。 今日からわてがあんたの面倒みますっさかいに。 それが女房の務めかも知れへん。せやけどな、その代わり、 将棋指すからには日本一の将棋指しになりなはれや!」  過ぎにし春秋 幾星霜 将棋の鬼と身を化して 西の坂田三吉と 天下にその名が鳴り響く 桜花爛漫 春穏やかな 築地倶楽部の対局は 関根金次郎八段と 銀を泣かせた大勝負  「お父ちゃん、行ったらあかん。関根はんには何遍も勝ってんのに、 そやのに何でお母ちゃんがこんなときに あの人のお祝いに行かなあかんの!」 「玉江、お前には分からへん。 お母ちゃんだけやお父ちゃんの気持ち分かってくれるのは。 小春やったら早よ行け言うて怒りよる。ほな、お父ちゃん行ってくるで。」  「関根はん、坂田でおます。十三世名人襲名お目出度うさんです。 お祝いに来ましたんや。」 「坂田さん。よく来て下さいました。 私はあなたのその言葉がなによりも嬉しい。」 「わてもあんたには、色んな事教えてもろうたさかい。」 「イエイエ、私にとってあなた程恐い人はいなかった。 あなたこそ真の名人だと呼ばれるべきだ。」 「関根はん‥‥」 「先生、大変だす。奥さんが、小春さんが‥‥。」 「何や、オウオウ、電話か。オウ、玉江か。 何?小春が危篤やって?え、危篤てなんやなんのこっちゃ。小春出して! 早よ小春出してえな!小春、小春!何や、何で返事せえへんねん。 死んだらあかん。死んだらあかんで。お前が死んだら、 わては明日からどうやって将棋指したらエエねん。なあ死になや、 死んだらあかんで、小春!」  貧乏十八番(おはこ)と 笑うて泣いて 苦労一生 背負(しょい)い込んだ 今池堀に 通天閣の 潤むネオンが 揺らぐ頃 み空に小春の 灯が点る山口瑠美中里はる中里はる苦労升目は八十一の 命削った端切(はぎれ)板 女房子供にゃすまないけれど 退くに退けない端歩(はしほ)突き 将棋の鬼と世に謳われた 王将坂田三吉と女房小春の物語  千里飛び越す 飛車角も 合いの歩一つで 手が詰まる 胸突き八丁 棟割長屋 明日のあてない 暮らしでも いつかとト金で 竜を斬る  「小春、生きとったんかあ!よかったよかった。ワイは心配で心配で‥‥」 「あんた、わてがどないな気持ちで生き恥さらして帰ってきたんか、 分かりまっか?この子等の手引っ張って今宮はんの踏み切りに 飛び込もうとした時に、玉江と義雄が何て言うたか、 あんた知りはれしまへんやろ! ―あたいらがお母ちゃんといくのはかめへんけど、 残ったお父ちゃんどうすんの。お父ちゃんはご飯もよう炊かはらへんし、 お腹すいて死んでしまいはる、可哀想や。 ―‥‥て、そんな事言うたんやで。」 「アア…堪忍や堪忍や、小春堪忍やで。ワイは目が覚めた。 勝負師や、素人名人やら言われてのぼせとったワイが悪かった。 ちょっと待ってや‥‥エエイこんなもんこうしてやる。」 「アッ、何しはりまんねん。」 「かめへん、かめへんねん。小春。ワイは金輪際将棋は指さへん。 お前らに苦労はさせへんで。」 「あんた!」  闇に突き出た通天閣の 赤い灯青い灯瓦に反射(はね)て 寝返り打った三吉の 目に涙止め処なく 阿弥陀ケ池の藤の茶屋 屈辱無念の千日手 何で忘れられようか そっと表に忍び出て 割れた板目を接(つ)いでみる  「あんた、あんたは本真に将棋が好きなんやな。よっしゃ、かめしまへん。 そんな好きな将棋やったら思う存分指しなはれな。 今日からわてがあんたの面倒みますっさかいに。 それが女房の務めかも知れへん。せやけどな、その代わり、 将棋指すからには日本一の将棋指しになりなはれや!」  過ぎにし春秋 幾星霜 将棋の鬼と身を化して 西の坂田三吉と 天下にその名が鳴り響く 桜花爛漫 春穏やかな 築地倶楽部の対局は 関根金次郎八段と 銀を泣かせた大勝負  「お父ちゃん、行ったらあかん。関根はんには何遍も勝ってんのに、 そやのに何でお母ちゃんがこんなときに あの人のお祝いに行かなあかんの!」 「玉江、お前には分からへん。 お母ちゃんだけやお父ちゃんの気持ち分かってくれるのは。 小春やったら早よ行け言うて怒りよる。ほな、お父ちゃん行ってくるで。」  「関根はん、坂田でおます。十三世名人襲名お目出度うさんです。 お祝いに来ましたんや。」 「坂田さん。よく来て下さいました。 私はあなたのその言葉がなによりも嬉しい。」 「わてもあんたには、色んな事教えてもろうたさかい。」 「イエイエ、私にとってあなた程恐い人はいなかった。 あなたこそ真の名人だと呼ばれるべきだ。」 「関根はん‥‥」 「先生、大変だす。奥さんが、小春さんが‥‥。」 「何や、オウオウ、電話か。オウ、玉江か。 何?小春が危篤やって?え、危篤てなんやなんのこっちゃ。小春出して! 早よ小春出してえな!小春、小春!何や、何で返事せえへんねん。 死んだらあかん。死んだらあかんで。お前が死んだら、 わては明日からどうやって将棋指したらエエねん。なあ死になや、 死んだらあかんで、小春!」  貧乏十八番(おはこ)と 笑うて泣いて 苦労一生 背負(しょい)い込んだ 今池堀に 通天閣の 潤むネオンが 揺らぐ頃 み空に小春の 灯が点る
長編歌謡物語 至高の王将~三吉、小春の物語~苦労升目は八十一の 命削った端切(はぎれ)坂 女房子供にゃすまないけれど 退くに退けない端歩(はしほ)突き 将棋の鬼と世に謳われた 王将坂田三吉と女房小春の物語  千里飛び越す 飛車角も 合いの歩一つで 手が詰まる 胸突き八丁 棟割長屋 明日のあてない 暮らしでも いつかト金で 竜を斬る  「小春、生きとったんかあ!よかったよかった。ワイは心配で心配で…」 「あんた、わてがどないな気持ちで生き恥さらして帰ってきたんか、 分かりまっか?この子等の手引っ張って今宮はんの踏み切りに 飛び込もうとした時に、玉江と義雄が何て言うたか、 あんた知りはれしまへんやろ!−あたいらがお母ちゃんといくのは かめへんけど、残ったお父ちゃんはどうすんの。 お父ちゃんはご飯もよう炊かはらへんし、お腹すいて死んでしまいはる、 可哀想や。−……て、そんな事言うたんやで。」 「アア…堪忍や堪忍や、小春堪忍やで。ワイは目が覚めた。 勝負師や、素人名人やら言われてのぼせとったワイが悪かった。 ちょっと待ってや……エエイこんなもんこうしてやる。」 「アッ、何しはりまんねん。」 「かめへん、かめへんねん。小春、ワイはもう金輪際将棋は指せへん。 お前らに苦労はさせへんで。」 「あんた!」  闇に突き出た通天閣の 赤い灯青い灯瓦に反射(はね)て 寝返り打った三吉の 目に涙止め処なく 阿弥陀ヶ池の藤の茶屋 屈辱無念の千日手 何で忘れられようか そっと表に忍び出て 割れた板目を接(つ)いでみる  「あんた」 「アッ小春、何や今時分‥‥。」 「あんたは本真に将棋が好きなんやな。よっしゃ、かめしまへん。 そんな好きな将棋やったら思う存分指しなはれな。 今日からわてがあんたの面倒みますっさかいに。 それが女房の務めかも知れへん。せやけどな、その代わり、 将棋指すんやったら日本一の将棋指しになりなはれや!」 「わかったで小春、わいは日本一の将棋指しになったるで!」  過ぎにし春秋 幾星霜 将棋の鬼と身を化して 西の坂田三吉と 天下にその名が鳴り響く 桜花爛漫 春穏やかな 築地倶楽部の対局は 関根金次郎八段と 銀を泣かせた大勝負  「お父ちゃん、行ったらあかん。関根はんには何遍も勝ってんのに、 そやのに何でお母ちゃんがこんなときに あの人のお祝いに行かなあかんの!」 「玉江、お前には分からへん。お母ちゃんだけや お父ちゃんの気持ち分かってくれるのは。 小春やったら早よ行け言うて怒りよる。ほな、お父ちゃん行ってくるで。」 「関根はん、坂田でおます。十三世名人襲名お目出度うさんです。 お祝いに来ましたんや。」 「オウッ、坂田さんよく来て下さいました。有難う御座います。 私はあなたのその言葉がなによりも嬉しい。」 「わてもあんたには、色んなこ事教えてもろうたさかい。」 「イエイエ、私にとってあなた程恐い人はいなかった。 あなたこそ真の名人だと呼ばれるべきだ。」 「関根はん…」 「先生、大変だす。奥さんが、小春さんが…」 「何や電話か。小春がどうしたって。玉江か、エッ、小春が危篤やて、 危篤てなんやなんのこっちゃ。小春出して、早よ小春出してえな! 小春、小春、何や、何で返事せえへんねん。 死んだらあかん、死んだらあかんで。 お前が死んだら、わては明日からどうやって将棋指したらエエねん。 なあ死になや、死んだらあかんで、小春!」  貧乏十八番(おはこ)と 笑うて泣いて 苦労一生 背負(しょ)い込んだ 今池堀に 通天閣の 潤むネオンが 揺らぐ頃 み空に小春の 灯が点る山口瑠美中里はる中里はる苦労升目は八十一の 命削った端切(はぎれ)坂 女房子供にゃすまないけれど 退くに退けない端歩(はしほ)突き 将棋の鬼と世に謳われた 王将坂田三吉と女房小春の物語  千里飛び越す 飛車角も 合いの歩一つで 手が詰まる 胸突き八丁 棟割長屋 明日のあてない 暮らしでも いつかト金で 竜を斬る  「小春、生きとったんかあ!よかったよかった。ワイは心配で心配で…」 「あんた、わてがどないな気持ちで生き恥さらして帰ってきたんか、 分かりまっか?この子等の手引っ張って今宮はんの踏み切りに 飛び込もうとした時に、玉江と義雄が何て言うたか、 あんた知りはれしまへんやろ!−あたいらがお母ちゃんといくのは かめへんけど、残ったお父ちゃんはどうすんの。 お父ちゃんはご飯もよう炊かはらへんし、お腹すいて死んでしまいはる、 可哀想や。−……て、そんな事言うたんやで。」 「アア…堪忍や堪忍や、小春堪忍やで。ワイは目が覚めた。 勝負師や、素人名人やら言われてのぼせとったワイが悪かった。 ちょっと待ってや……エエイこんなもんこうしてやる。」 「アッ、何しはりまんねん。」 「かめへん、かめへんねん。小春、ワイはもう金輪際将棋は指せへん。 お前らに苦労はさせへんで。」 「あんた!」  闇に突き出た通天閣の 赤い灯青い灯瓦に反射(はね)て 寝返り打った三吉の 目に涙止め処なく 阿弥陀ヶ池の藤の茶屋 屈辱無念の千日手 何で忘れられようか そっと表に忍び出て 割れた板目を接(つ)いでみる  「あんた」 「アッ小春、何や今時分‥‥。」 「あんたは本真に将棋が好きなんやな。よっしゃ、かめしまへん。 そんな好きな将棋やったら思う存分指しなはれな。 今日からわてがあんたの面倒みますっさかいに。 それが女房の務めかも知れへん。せやけどな、その代わり、 将棋指すんやったら日本一の将棋指しになりなはれや!」 「わかったで小春、わいは日本一の将棋指しになったるで!」  過ぎにし春秋 幾星霜 将棋の鬼と身を化して 西の坂田三吉と 天下にその名が鳴り響く 桜花爛漫 春穏やかな 築地倶楽部の対局は 関根金次郎八段と 銀を泣かせた大勝負  「お父ちゃん、行ったらあかん。関根はんには何遍も勝ってんのに、 そやのに何でお母ちゃんがこんなときに あの人のお祝いに行かなあかんの!」 「玉江、お前には分からへん。お母ちゃんだけや お父ちゃんの気持ち分かってくれるのは。 小春やったら早よ行け言うて怒りよる。ほな、お父ちゃん行ってくるで。」 「関根はん、坂田でおます。十三世名人襲名お目出度うさんです。 お祝いに来ましたんや。」 「オウッ、坂田さんよく来て下さいました。有難う御座います。 私はあなたのその言葉がなによりも嬉しい。」 「わてもあんたには、色んなこ事教えてもろうたさかい。」 「イエイエ、私にとってあなた程恐い人はいなかった。 あなたこそ真の名人だと呼ばれるべきだ。」 「関根はん…」 「先生、大変だす。奥さんが、小春さんが…」 「何や電話か。小春がどうしたって。玉江か、エッ、小春が危篤やて、 危篤てなんやなんのこっちゃ。小春出して、早よ小春出してえな! 小春、小春、何や、何で返事せえへんねん。 死んだらあかん、死んだらあかんで。 お前が死んだら、わては明日からどうやって将棋指したらエエねん。 なあ死になや、死んだらあかんで、小春!」  貧乏十八番(おはこ)と 笑うて泣いて 苦労一生 背負(しょ)い込んだ 今池堀に 通天閣の 潤むネオンが 揺らぐ頃 み空に小春の 灯が点る
天気雨溜息つくと しあわせは 逃げていくから 笑うのよ やさしい母の 呼ぶ声が 聞こえてきそうな 夕焼け空  誰もが胸いっぱいに 涙を抱え生きてる あぁ人はいじらしく 愛しいものですね  サラサラ降り出す 天気雨 喜び哀しみ 溶け合う街で 私は私の しあわせ探す 今日の日にサヨナラと ほほ笑みながら  不器用すぎる 娘だと 泣いた私の 背を撫でて 自分のことを もう少し 許してごらんと 諭された日  今でも父の言葉が 心の中で生きてる あぁ人は何度でも 出逢えるものですね  サラサラ降り出す 天気雨 涙と笑顔を 思い出にして 私は私の 足跡残す 陽だまりのあたたかさ 確かめながら  サラサラ降り出す 天気雨 喜び哀しみ 溶け合う街で 私は私の 青空探す 涙にはサヨナラと 手を振りながら山口瑠美森坂とも金田一郎石倉重信溜息つくと しあわせは 逃げていくから 笑うのよ やさしい母の 呼ぶ声が 聞こえてきそうな 夕焼け空  誰もが胸いっぱいに 涙を抱え生きてる あぁ人はいじらしく 愛しいものですね  サラサラ降り出す 天気雨 喜び哀しみ 溶け合う街で 私は私の しあわせ探す 今日の日にサヨナラと ほほ笑みながら  不器用すぎる 娘だと 泣いた私の 背を撫でて 自分のことを もう少し 許してごらんと 諭された日  今でも父の言葉が 心の中で生きてる あぁ人は何度でも 出逢えるものですね  サラサラ降り出す 天気雨 涙と笑顔を 思い出にして 私は私の 足跡残す 陽だまりのあたたかさ 確かめながら  サラサラ降り出す 天気雨 喜び哀しみ 溶け合う街で 私は私の 青空探す 涙にはサヨナラと 手を振りながら
名残り月夜通し鳴いてる 虫の声 せつなくしみます この胸に 眠れぬままに ため息つけば 幸せひとつが 恋しくて… 愚かでしょうが 待つなんて 窓に涙の 名残り月  あなたの哀しい 裏切りを くちびる震わせ 聞いた夜 愛した月日 指折り数え 思い出たどれば 泣きたくて… 終りでしょうか この恋も 西へ傾く 名残り月  襟元両手で 合わせても 面影心に しのび込む 忘れるつらさ 明日も続く あなたにも一度 会いたくて… 愚かでしょうか 待つなんて 未練曇りの 名残り月山口瑠美麻こよみ四方章人南郷達也夜通し鳴いてる 虫の声 せつなくしみます この胸に 眠れぬままに ため息つけば 幸せひとつが 恋しくて… 愚かでしょうが 待つなんて 窓に涙の 名残り月  あなたの哀しい 裏切りを くちびる震わせ 聞いた夜 愛した月日 指折り数え 思い出たどれば 泣きたくて… 終りでしょうか この恋も 西へ傾く 名残り月  襟元両手で 合わせても 面影心に しのび込む 忘れるつらさ 明日も続く あなたにも一度 会いたくて… 愚かでしょうか 待つなんて 未練曇りの 名残り月
名もなき花もしも生まれ変わり あなたに会えるなら 野に咲く一輪の 花になるでしょう やさしい風の中 思い出の歌うたう 懐かしい香りが わたしをつつむ 今はもう 戻れない いつか見た 夕映え 今ならば わかるはず 愛することの意味 耳をすませば ほら あなたの呼ぶ声が 聴こえてきます  ありふれた日々には しあわせの欠片が そっと輝いてる 何も語らず 忘れたい 忘れない 手のひらの ぬくもり 溢れだす 涙には もう何も映らない ありがとうの言葉 今なら言えるのに あなたはいない  ほらそこに 咲いている 名もなき花のように しあわせを ひたむきに 信じ咲けるのなら もう一度あなたと 明日を描くことが 出来るでしょうか山口瑠美山口瑠美金田一郎石倉重信もしも生まれ変わり あなたに会えるなら 野に咲く一輪の 花になるでしょう やさしい風の中 思い出の歌うたう 懐かしい香りが わたしをつつむ 今はもう 戻れない いつか見た 夕映え 今ならば わかるはず 愛することの意味 耳をすませば ほら あなたの呼ぶ声が 聴こえてきます  ありふれた日々には しあわせの欠片が そっと輝いてる 何も語らず 忘れたい 忘れない 手のひらの ぬくもり 溢れだす 涙には もう何も映らない ありがとうの言葉 今なら言えるのに あなたはいない  ほらそこに 咲いている 名もなき花のように しあわせを ひたむきに 信じ咲けるのなら もう一度あなたと 明日を描くことが 出来るでしょうか
花の夜心が安らぐ 人がいる 窓に飾った 月見草 こんな日が 夢でした 幸せしみじみ 交わす酒 たとえ出会いは 遅くても 二人咲きます 花の夜  私を待ってる 人がいる それを信じて 生きて来た もう二度と 泣きません ひとりじゃないのね これからは 過ぎたむかしは 忘れます 情け注ぎ足す 花の夜  この手をあずける 人がいる それが何より 嬉しくて こんな日が 夢でした ぬくもり胸まで しみ通る にじむ涙の 甘え泣き 女咲きます 花の夜山口瑠美麻こよみ四方章人南郷達也心が安らぐ 人がいる 窓に飾った 月見草 こんな日が 夢でした 幸せしみじみ 交わす酒 たとえ出会いは 遅くても 二人咲きます 花の夜  私を待ってる 人がいる それを信じて 生きて来た もう二度と 泣きません ひとりじゃないのね これからは 過ぎたむかしは 忘れます 情け注ぎ足す 花の夜  この手をあずける 人がいる それが何より 嬉しくて こんな日が 夢でした ぬくもり胸まで しみ通る にじむ涙の 甘え泣き 女咲きます 花の夜
母便り夜ふけにひとり 膝を抱き 母の手紙を 読み返す 身体を気づかう 便箋の 文字が涙で またにじむ 母さん 母さん お母さん そのうち一度 帰ります  家族のことが 一番で いつも自分は 後まわし エプロン姿に 荒れた指 化粧ひとつも しないまま 母さん 母さん ありがとう そのうち一度 帰ります  白壁(しらかべ)続く 町並は 今も変わらぬ ままですね 無理などしないで これからも どうぞ元気で いて欲しい 母さん 母さん お母さん そのうち一度 帰ります山口瑠美麻こよみ四方章人池多孝春夜ふけにひとり 膝を抱き 母の手紙を 読み返す 身体を気づかう 便箋の 文字が涙で またにじむ 母さん 母さん お母さん そのうち一度 帰ります  家族のことが 一番で いつも自分は 後まわし エプロン姿に 荒れた指 化粧ひとつも しないまま 母さん 母さん ありがとう そのうち一度 帰ります  白壁(しらかべ)続く 町並は 今も変わらぬ ままですね 無理などしないで これからも どうぞ元気で いて欲しい 母さん 母さん お母さん そのうち一度 帰ります
晩春歌一足遅れで 来た春に 旅人泣かせの こぬか雨 蝶よ蝶よ 側へ来い 二人で雨宿り 水に流した十年は 口では軽い 一昔 ああ面影の 忘れな人よ 逢いたい 逢えない 戻れない あの日の胸に  素足で地面(じべた)を 駆けてみる 裾に絡んだ 母子草 花よ花よ 凜と咲け 儚い夢の間に 悲しい程に 愛しても 越えては行けぬ 運命(さだめ)川 ああ流されて ゆらゆら揺れて 溺れて 沈んで 泥になる 名残の花よ  春とは名のみの 肌寒さ 一雨上がって 朧月 うさぎうさぎ なぜ跳ねる 淋しい宵なのに 恋しさ募り 名を呼べば 廂(ひさし)を抜ける 風の音 ああはらはらと 窓辺に散った 一片 二片 迷い花 心の花よ山口瑠美中里はる中里はる西村幸輔一足遅れで 来た春に 旅人泣かせの こぬか雨 蝶よ蝶よ 側へ来い 二人で雨宿り 水に流した十年は 口では軽い 一昔 ああ面影の 忘れな人よ 逢いたい 逢えない 戻れない あの日の胸に  素足で地面(じべた)を 駆けてみる 裾に絡んだ 母子草 花よ花よ 凜と咲け 儚い夢の間に 悲しい程に 愛しても 越えては行けぬ 運命(さだめ)川 ああ流されて ゆらゆら揺れて 溺れて 沈んで 泥になる 名残の花よ  春とは名のみの 肌寒さ 一雨上がって 朧月 うさぎうさぎ なぜ跳ねる 淋しい宵なのに 恋しさ募り 名を呼べば 廂(ひさし)を抜ける 風の音 ああはらはらと 窓辺に散った 一片 二片 迷い花 心の花よ
紅殻情話恋の柄杓(ひしゃく)で 散らした水に 濡れる祗園の 石畳 追って追われて 紅殻情話 格子へだてた あなたの背中 息をひそめて やり過ごす  あわせ鏡の うなじに咲いた 夢のなごりの 紅(あか)い花 やがて悔しい 紅殻情話 元の白地(しろじ)に 戻せるならば 洗い流して 高瀬川  わざと小さく 縁どる口紅(べに)は あなた好みの 薄化粧 五山(ござん)送り火 紅殻情話 燃えて散りじり 蛍の恋は 今夜限りの 命です山口瑠美森坂とも聖川湧石倉重信恋の柄杓(ひしゃく)で 散らした水に 濡れる祗園の 石畳 追って追われて 紅殻情話 格子へだてた あなたの背中 息をひそめて やり過ごす  あわせ鏡の うなじに咲いた 夢のなごりの 紅(あか)い花 やがて悔しい 紅殻情話 元の白地(しろじ)に 戻せるならば 洗い流して 高瀬川  わざと小さく 縁どる口紅(べに)は あなた好みの 薄化粧 五山(ござん)送り火 紅殻情話 燃えて散りじり 蛍の恋は 今夜限りの 命です
みかんの木陰瀬戸の夕凪ぎ 尾を引く船は 遠いあの日へ 帰る船 不憫な思いは させまいと 働きとおした あなたの背中 苦労の枝に 実をむすぶ 香る蜜柑は 母の愛  無事な暮らしを 見守るように 霞む島影 うるむ海 元気でやるのよ それだけを 何度もつぶやき 手をふる母の 忘れはしない あの涙 白い蜜柑の こぼれ花  今日という日を 薄紅色に 染める夕陽の おだやかさ 他人(ひと)をねたまず 疑わず 小さな幸せ 分け合う姿 笑顔の先に 実をむすぶ 香る蜜柑は 母の愛山口瑠美森坂とも聖川湧石倉重信瀬戸の夕凪ぎ 尾を引く船は 遠いあの日へ 帰る船 不憫な思いは させまいと 働きとおした あなたの背中 苦労の枝に 実をむすぶ 香る蜜柑は 母の愛  無事な暮らしを 見守るように 霞む島影 うるむ海 元気でやるのよ それだけを 何度もつぶやき 手をふる母の 忘れはしない あの涙 白い蜜柑の こぼれ花  今日という日を 薄紅色に 染める夕陽の おだやかさ 他人(ひと)をねたまず 疑わず 小さな幸せ 分け合う姿 笑顔の先に 実をむすぶ 香る蜜柑は 母の愛
夕顔の坂淋(さみ)しいですかと 聞かれたら 泣いてしまいそう ふたりどんなに 隠しても 噂になります いつの日か… 咲いてひと夏 日暮れ花 お別れします 今日かぎり にじむ涙の うしろ影 あなた見送る 夕顔の坂  忘れてしまえと 言われても いいえ忘れない そっとこの肩 抱き寄せて 許してほしいと 詫びた人… 夢も儚(はかな)い 白い花 お別れします 今日かぎり せめて残して 心だけ 一人咲けない 夕顔の坂  夢も儚(はかな)い 白い花 お別れします 今日かぎり せめて残して 心だけ 一人咲けない 夕顔の坂山口瑠美麻こよみ四方章人南郷達也淋(さみ)しいですかと 聞かれたら 泣いてしまいそう ふたりどんなに 隠しても 噂になります いつの日か… 咲いてひと夏 日暮れ花 お別れします 今日かぎり にじむ涙の うしろ影 あなた見送る 夕顔の坂  忘れてしまえと 言われても いいえ忘れない そっとこの肩 抱き寄せて 許してほしいと 詫びた人… 夢も儚(はかな)い 白い花 お別れします 今日かぎり せめて残して 心だけ 一人咲けない 夕顔の坂  夢も儚(はかな)い 白い花 お別れします 今日かぎり せめて残して 心だけ 一人咲けない 夕顔の坂
行合橋日暮れて賑わう 橋の上 川面にきらめく 町灯り 胸にしまった あの人の 面影浮かべる 水鏡 行く人 来る人 戻る人 行き合い橋は 別れ橋  幸せそれとも 不幸せ この世の流れの 浮き沈み 人の情けに 身を寄せて 雨風しのいだ 夜もある あの人 この人 会いたくて 行き合い橋は 涙橋  過ぎ行く月日の 短さに 淋しくしみます せせらぎが 人の運命(さだめ)の すれ違い どこかの岸辺で 会えますか 行く人 来る人 送る人 行き合い橋は 出合い橋山口瑠美麻こよみ四方章人南郷達也日暮れて賑わう 橋の上 川面にきらめく 町灯り 胸にしまった あの人の 面影浮かべる 水鏡 行く人 来る人 戻る人 行き合い橋は 別れ橋  幸せそれとも 不幸せ この世の流れの 浮き沈み 人の情けに 身を寄せて 雨風しのいだ 夜もある あの人 この人 会いたくて 行き合い橋は 涙橋  過ぎ行く月日の 短さに 淋しくしみます せせらぎが 人の運命(さだめ)の すれ違い どこかの岸辺で 会えますか 行く人 来る人 送る人 行き合い橋は 出合い橋
呼子舟唄呼子の雨は しみじみと 旅のおんなの 肩に降る 呼子舟唄 連絡船よ 玄界灘の 雨(あめ)すだれ さぞやつらかろ お前にも  七日と七夜 泣き腫らし ひれふり山の 石となる 呼子加部島(かべしま) 悲恋の海に あの日と同じ 陽は沈む 一人見つめる 旅の宿  イカつり船の 漁火が 遠いしじまに 揺れていた 呼子朝市 明日を信じ 旅人たちは 夢を買う いつかいいこと あるように山口瑠美みやま清流糸間圭伊戸のりお呼子の雨は しみじみと 旅のおんなの 肩に降る 呼子舟唄 連絡船よ 玄界灘の 雨(あめ)すだれ さぞやつらかろ お前にも  七日と七夜 泣き腫らし ひれふり山の 石となる 呼子加部島(かべしま) 悲恋の海に あの日と同じ 陽は沈む 一人見つめる 旅の宿  イカつり船の 漁火が 遠いしじまに 揺れていた 呼子朝市 明日を信じ 旅人たちは 夢を買う いつかいいこと あるように
私のままでもっとわがままに生きたなら もっと幸せになるだろか それともみんなに嫌われて もっとさみしくなるだろうか  もっと慎ましく生きたなら もっと好かれたりするだろか それとも自分が辛くなり もっと悲しくなるだろうか  ああ 何にも思わず 何にも 迷わずに そのまま ただ 生きていきたい 道に花が咲き そして散るように そのまま ただ 私のままで  誰に憎まれることもなく 自分のことも 憎まずに 人から愛され 自分も愛して 生きようなどと 欲張っている  ああ 何にも 望まず 何にも おそれずに そのまま ただ 生きていきたい 空に雨が降り そして晴れるように そのまま ただ 私のままで  ああ 何にも思わず 何にも 迷わずに そのまま ただ 生きていきたい 道に花が咲き そして散るように そのまま ただ 私のままで そのまま ただ 私のままで山口瑠美新沢としひこ新沢としひこ古田綾子もっとわがままに生きたなら もっと幸せになるだろか それともみんなに嫌われて もっとさみしくなるだろうか  もっと慎ましく生きたなら もっと好かれたりするだろか それとも自分が辛くなり もっと悲しくなるだろうか  ああ 何にも思わず 何にも 迷わずに そのまま ただ 生きていきたい 道に花が咲き そして散るように そのまま ただ 私のままで  誰に憎まれることもなく 自分のことも 憎まずに 人から愛され 自分も愛して 生きようなどと 欲張っている  ああ 何にも 望まず 何にも おそれずに そのまま ただ 生きていきたい 空に雨が降り そして晴れるように そのまま ただ 私のままで  ああ 何にも思わず 何にも 迷わずに そのまま ただ 生きていきたい 道に花が咲き そして散るように そのまま ただ 私のままで そのまま ただ 私のままで
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