| 猫今日は雨が降っている 狭い部屋であなたが小さく見えた もう、明日は来ないみたいだ そう呟いて欠伸をした 僕が死んだら猫になってまた君に会いに行くから 悲しい顔しないでって笑って眠った 嘘みたいに綺麗な夜だった あなたが死んだ今日のことをわたしは忘れないでしょう 声や匂いや視線も 綺麗なものばかりじゃないけど ひとつも忘れたくもないしな だらりうなだれる生活を 共に過ごす白い猫に あなたの名前をつけた 大した暮らしはできないけれど あなたの好きだったもの全て白い猫に与えて あるはずのない幸せの形 聞こえなくなったラブソングを 思い描いては毎晩流れる涙は止まらない 溢れる気持ちは行くあてがなく 宙に舞うそれを白い猫はただじっと見ていた 眠っているみたいだった 薬品の匂いがするこの部屋でわたしも 気づけばこんな歳になって 人生を終える支度ができたわ あなたが死んだあの日のことを わたしは忘れなかった声や匂いや死体も 綺麗なものばかりじゃないけど だから忘れず生きてこられた 最後に心残りがあるなら この子の声を聞いてみたかった あなたのおかげでわたしがいるの 今度はわたしを先に死なせて 最後に鼓膜の奥に届いた 『あなたを愛してる』って言葉 息を引き取った彼女のそばに、 白猫が横たわっていた。 | モノクロパンダ | 神田美咲 | モノクロパンダ | | 今日は雨が降っている 狭い部屋であなたが小さく見えた もう、明日は来ないみたいだ そう呟いて欠伸をした 僕が死んだら猫になってまた君に会いに行くから 悲しい顔しないでって笑って眠った 嘘みたいに綺麗な夜だった あなたが死んだ今日のことをわたしは忘れないでしょう 声や匂いや視線も 綺麗なものばかりじゃないけど ひとつも忘れたくもないしな だらりうなだれる生活を 共に過ごす白い猫に あなたの名前をつけた 大した暮らしはできないけれど あなたの好きだったもの全て白い猫に与えて あるはずのない幸せの形 聞こえなくなったラブソングを 思い描いては毎晩流れる涙は止まらない 溢れる気持ちは行くあてがなく 宙に舞うそれを白い猫はただじっと見ていた 眠っているみたいだった 薬品の匂いがするこの部屋でわたしも 気づけばこんな歳になって 人生を終える支度ができたわ あなたが死んだあの日のことを わたしは忘れなかった声や匂いや死体も 綺麗なものばかりじゃないけど だから忘れず生きてこられた 最後に心残りがあるなら この子の声を聞いてみたかった あなたのおかげでわたしがいるの 今度はわたしを先に死なせて 最後に鼓膜の奥に届いた 『あなたを愛してる』って言葉 息を引き取った彼女のそばに、 白猫が横たわっていた。 |
| パラレルワールド行方知れずあなたを探して あらゆる道筋を辿っては 何度も何度も目を閉じて 朝が来るのを待っていた 埃被った時計左回り 繋がるあなたの面影だけを残した時へ パラレルワールド 2周目のあなたは交通事故死 パラレルワールド 3周目のあなたは海に沈んだ パラレルワールド 4周目私をあぁ忘れてしまった 1度ワープするたびに 犠牲になった時間が溢れて それは私の誰も触れないところを 蝕んでいきました 朧げな街灯街を照らし 拡がる深い深い夜の底まで パラレルワールド あなたの後悔を救いたかった パラレルワールド こんな私をあなたは笑うかな パラレルワールド 今度こそ目を開けたらあぁ普通の生活を 普通の生活を けれどあなたは、 もういいと笑った せめて綺麗なままで 夜に溶けたいと笑った | モノクロパンダ | 神田美咲 | モノクロパンダ | | 行方知れずあなたを探して あらゆる道筋を辿っては 何度も何度も目を閉じて 朝が来るのを待っていた 埃被った時計左回り 繋がるあなたの面影だけを残した時へ パラレルワールド 2周目のあなたは交通事故死 パラレルワールド 3周目のあなたは海に沈んだ パラレルワールド 4周目私をあぁ忘れてしまった 1度ワープするたびに 犠牲になった時間が溢れて それは私の誰も触れないところを 蝕んでいきました 朧げな街灯街を照らし 拡がる深い深い夜の底まで パラレルワールド あなたの後悔を救いたかった パラレルワールド こんな私をあなたは笑うかな パラレルワールド 今度こそ目を開けたらあぁ普通の生活を 普通の生活を けれどあなたは、 もういいと笑った せめて綺麗なままで 夜に溶けたいと笑った |
